文章の書き方2

書き出しは書けましたでしょうか。これは経験則ですが一旦文章を書き出すと後は流れでサラサラと書けるようになります。筆が思考に追いつかないってやつですね。なので「もう見なくても大丈夫!」って方もいらっしゃるかもしれませんが、これだけは覚えておいてください。文章を書く上で一番大事なのは『読む』ことです。では未来の大作を期待しています。



さて、ここに残った貴方はまだ筆がノっていないご様子。では書き出しが終わったことを前提に文章の中盤から終盤までを説明していきたいと思います。


当たり前ですが文章は設定に沿って書いていくものです。作者の個性が出ます。なので「この設定ならその書き方は違う」などと事細かに指摘はできません。ご了承ください。しかし私流の書き方なら解説できます。私は舞城王太郎さんという癖のある作家さんに影響されて文を書き始めた人間なので皆さんと違う作風かもしれませんが暫しお付き合いください。

私が小説を書く上で気をつけているのはズバリ『スピード感』です。スラスラと流れるように読者が読めるように意識しています。具体的には語感のよさですね。例を出します。


元鈴木の机の残骸に足を取られて転んだ。空中で後ろに半回転した彼女は後頭部から床に落ちた。重たい音が教室に響いた。


転んだ。元鈴木の机の残骸に足を取られて。空中で後ろに半回転した彼女は綺麗な弧を描き、後頭部から床に落ちた。ゴスン、と重たい音が教室に響く。


1と2、どちらが読みやすかったですか。人によっては1の方が良いと言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私は2の方が好きですね。1は転んだ⇒落ちた⇒響いたと続いていてなんとなく気持ちわるいからです。対して2は一行目で倒置法を使ってますね。これで「転んだ!」ということを強調し読者に印象づけます。そして「綺麗な弧を描き」と文の間にちょっとした表現を入れることでこのあとの後頭部から床に落ちるシーンを強調します。最後に擬音を用いて情景を想像させて終わりです。以上が2を選んだ理由になります。

いちいちそんなこと考えてられねーよバーカと思うかもしれませんが誰でも簡単にこのような文を書く方法があります。それは『声に出して読む』ことです。私はこの文を書いている時も常に声に出しながら確認しています。そうすることで、「ここで詰まったから表現を変えよう」「サラッと流したけど重要な部分だから強調しよう」といった具合に調整することが可能です。自分で書いてて不安になりましたがどうでしょう。ここまでスラスラ読めてますか?読めてなかったら私の力不足です。この話は忘れてください。


ですが『読む』という行為は決して怠らないでください。作品の個性に関係なく読み直しは徹底してください。表現の誤り、誤字脱字が見つかる可能性もあるので。こんな琴になっても尻ませんよ。

当然ですが読みながら書くという器用な事は私にもできません。なので時間をかけてゆっくりやりましょう。

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