本のこと
本は他人の思想展覧会であり情緒博覧会であり記録展示会である
どうあがいても生きている間に覗き見ることができない他人の脳みそをわずかに一部だけ見せてくれるものである
オリジナルであれば脳という容量を超えた世界
模倣であれば脳の一部に取り込んだ上っ面だけの世界
異様なまでの言葉の羅列が続いただけの世界
理路整然と言葉が並べられた世界
誰かが生きてきた道から生み出された文章が、他者を生かすか殺すか
単語を紡げば物語となり、絵空事ですら現実に接近する単語となる
言葉を繋げば論となって、社会の誰かを取り込む言葉となる
心を揺さぶられた単語は新たな単語を作り出して創造を生むのだろうか
脳に叩きつけられた言葉を還元する言葉は誰かを焚き付けるのだろうか
創造にも焚付にもエネルギーが必要である
言葉にエネルギーがあるならば、細かく切ればエネルギーの起源が見えるか
見えるはずはない
言葉を細かく切れば、それはたった一つの文字でしかない
しかし言葉はエネルギーを持つ
創造から生み出された単語は新たな文節を作りやがて物語となる
焚き付けられた人から発せられた言葉は文章となりやがて論となる
そのエネルギーの総量が本となる
本とは身近にあって遠い存在の一つなのだろう
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