第9話 次の月曜日へ(日曜日)

 ヒアリは月曜日の授業の準備を終え、ベッドに入った。

 転校してから一週間クラスメイトの大半と仲良く出来たし、特に仲のいいエリミという友だちもできた。


 エリミとは日曜日も団地の案内をしておらい完全に打ち解けられている。転校は三回目だったが、今回も全く問題ない。完全に上手く行っている


 心残りなのはエリミがあの衝突事件以来学校に登校してこなかったので、怪我をさせてしまったのではないかということだ。あの時、特に異常を感じない足取りで去っていったので大丈夫だろうと思っていたのだが。


 次にあったらもう一度ちゃんと謝って話をして友だちになろう、ついでにあの時言っていたよくわからない言葉の意味も聞いてみようと考えてつつ、眠りに落ちていく……


 ――――


 が、1時間ほどしてベッドから起き上がる。


「トイレ……」


 そうヒアリは暗い部屋の中をフラフラと歩き、用を済ませる。

 スッキリした後に手を洗って大きなあくびをしつつまたベッドに潜ろうと思ったが、ふと外にきれいな月が出ているのに気が付き、カーテンを開けてそれを眺めようとした。


「あれ?」


 偶然だった。視界に入ったヒアリの住んでいるマンションの前の路地を誰かが歩いていた。最初は判別できなかったが街灯のところを通ったところでそれがツキエであることに気がつく。


「こんな時間にどうしたんだろ……?」


 時計は23時55分。もう真夜中と言っていいだろう。中学生が一人で出歩くような時間じゃない。


 危ないんじゃないかと心配になるものの、こんな時間に追いかけても自分も危ないし、ツキエが何の考えもなしに出歩いているとは考えにくい。ここは明日学校で聞いてみようと思いながらまたベッドに入る。


 ぬくぬくの布団に幸せを感じつつ、眠りに落ちていこうとした――その時、近くの戸棚やテーブルが小さくカタカタと揺れ始めた。


 しかしそのときにはすでにヒアリは完全に睡眠状態に入っていたので気がつかない。その揺れはやがてどんどん大きくなって――

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