百十六振目 令和元年重要刀剣が誕生

 2019年は11月11日が結果発送。翌日に結果が届けられ、悲喜こもごもの状態でしょうか。

 今回、私は4本申請しまして結果は1本合格。しかしながら、嬉しいと言うよりは複雑な気分です。なぜかと言いますと、どうにも腑に落ちない……。

 申請した物は以下の通り。

 A:鎌倉時代中期の刀。極めて健全な作で状態も良く出来が良い。しかして、特保鑑定のまま重要は合格できないと言われ一度不合格になっている品。

 B:南北朝期の大磨上無銘刀で本阿弥光温折紙付き。健全性状態は素晴らしい。

 C:鎌倉末期の生ぶ無銘短刀。健全性は抜群レベルで、状態も出来も良い。

 D:鎌倉末期の生ぶ無銘短刀。そこそこ健全で、状態と出来は素晴らしく良い。


 落ちるとしたらAで、Bは落ちてもおかしくない、CとDのどちらかもしくは両方が合格すると思ってたのに……合格したのは『A』なんですよね。

 それは確かにAの刀は、ある刀剣屋に見せたら「ありえない」や「特重クラス」とまで言われた刀なので(だから再申請する気になったわけで)通ってもおかしくないのですけど……だったら、何故に前は落ちたのか。この銘では通らないと学芸員が断言したのは何だったのか。

 CとDはどっちかが合格すると思ったのに何故に落ちる? これは本当に落ちるのが不可思議なぐらいの出来。申請する人は誰だって合格すると思うでしょうが、それを差し引いても合格しておかしくない短刀なのに。どっちも合格すれば展示だってありえるとまで思っていたのに……うーん。


 改めて思いますが、どれだけ自信があって出来が良いと思った品でも、刀剣屋で見せて重要刀剣と間違われる刀剣でも、落ちるときは落ちる。やはり重要刀剣は運の要素も強いのかもしれないと思えてきた結果です。

 なんにせよ今回の合格率は25%、通算の合格率約30%。重要刀剣の合格率は全体として14%~20%ですので、まあまあ良い成績ではありますがしかし低い……もっと精進せねば。

 いずれの刀剣も惚れ込んで手に入れたものなので、重要不合格だからと手放す気はない。CとDは引き取り時に落ちた理由を聞きつつ、その内容次第では数年おいて再チャレンジしてみるやも。

 そして今回合格したAを特重に出してみようかどうしようか……悩ましい。

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