十七振目 日本刀の本場は海外になる

 いずれではありますが、日本刀の本場が海外になる恐れがあります。

 それは日本人が日本刀に興味がないからです。サブカルチャー上では人気はあるものの、実際に手にするかといえばしません。

 日本刀を持っている=危ない人

 または

 日本刀=高級品

 そうしたイメージが強く、わざわざ日本刀を買おうとする人は少数派。

 一方で海外の愛好家は増加傾向。そして彼らはガンガン買います。別に金持ちではなく、ローンを組んででも買っている。

 刀剣屋に行くと、外国の人(主として英語圏)がいる場合が多いです。鞘や鍔の修繕や研ぎについて、熱心に話し込み確認をしてます。

 たとえば大刀剣市(11月に行われる日本刀の大市)にも多数の外国人が来ていますが、見ていて悔しくなるぐらい買ってます。正宗の短刀があった店では「とても日本人が買う値段じゃない。買うのは外国人ですよ」と言われ、実際にそうなりました。(というわけで、正宗の一振りは海外に旅立ちました)

 重要刀剣の合格者名の中にも外国人がちらほらと。


 そして日本刀の製法も外国の人が絶賛勉強中です。研ぎもそうですし、鍔などの刀装具の制作も同じくです。

 日本の刀鍛冶は規則によって月に二本までしか刀が製造できませんし素材に制約がある。一方で海外であれば全てが自由で、つくりたい放題。

 いずれ、外国で名工が生まれる日も遠くないように思えます。


 逆に日本には粗悪な日本刀が逆輸入されていたり……。

 たとえばアメリカ国内では、中国製の日本刀が一本あたり二万~五万円程度で売られています。それを日本の業者が買い漁り、第二次世界大戦中に接収された刀として持ち帰り、国内で一本あたり二十万円程度で販売していたりします。

 名品が流出し粗悪品が流入してくる。


 悲しいですけど、それが今の日本刀を取り巻く現状。

 それを聞くと憤る人もいるかと思いますが、少なくとも外国の人が買う事には文句は言えない。かつて日本もバブル時に海外の名画を買い漁っていたわけですから。

 なんにせよ興味の無い我々日本人が悪い。今回の刀剣ブームで少しは変わるかと思ったのですが……博物館で特別展が開かれるばかりで売買は何も変わらなかったですね。残念。

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