会話―Telepathy―
『俺は嫌だね! 奴が目覚めるのを絶対に防ぐ!』
『お前はそれでも戦士か!』
『封印されていた積年の恨み、戦士ならば奴を倒してこそ晴らせるというもの! 我らは奴を倒してこその目覚めだと己を定めている!』
『戦士の器が何だってんだ! また封印されたり、今度こそやられたら何の意味もない!』
『貴様には戦士の矜持がないのか!』
『はっ! そんなものは知らない! 俺は奴の復活を望まない!』
『だからこそお前はいつまでも弱かった! いや脆弱なのだ!』
『何とでも言うがいい! 俺は奴の復活を防ぐ!』
『……いい加減にしろ、そろいもそろって女王の言葉を妨げる気か!』
『…………』
『…………』
『…………』
『女王、彼らにお言葉を』
『うむ……早く人間を集めて来い。この時代にはそこら中に人間が繁殖している。我が子を作るには絶好の時代となっているようだ。早く供物を持ってまいれ』
『はい。承知しております』
『分かっているならよい。速く実行に移せ。まだ足りぬのだ』
『承知しました……わかったなお前たち、自分たちの栄養の補給も大事であり〈太陽を背にし大地を守るもの〉の復活と復讐もあるが、何より優先すべきは人間。受胎期に入っているアムタウ族の希少類、供物を女王にささげるのだ』
『承知しました』
『分かりました』
『俺は嫌だね!』
『貴様、女王の命が聞けぬと言うのか!』
『供物の事は分かっている、やってやるさ。だがな……それよりも〈太陽を背にし大地を守るもの〉の復活は絶対に阻止する。供物をささげるのはそれからだ!』
『貴様は――』
『よい……グラバノル。お前はお前の好きにしろ。我は子を産み落とす栄養があればそれで良い。〈太陽を背にし大地を守るもの〉の復活もどうでもいいのだ。わが子さえ産み落とせればそれで良い』
『そういうことだお前ら! 奴の復活だけは俺は絶対に阻止してみせる! 貴様らは指を咥えて赤子のように見ているがいい!』
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