第41話
~a girl talks with a girl~
「……良かった、のかな? 二人とも仲直りしたっぽいけど……やっぱり音声だけじゃ分かりにくいなぁ……」
「それはこれからの展開にもよるわね。あぁ瑠衣、この紙に名前を書いてもらえるかしら。ごめんなさい、部活休止と重なって報告が遅れていたわ」
「ん? 何これ?」
「文芸部が『部活動』から『同好会』となることについての書類よ。……さすがに四人では『部活動』として認められないようね。部長の記入欄があるから、そこにお願いできるかしら?」
「えっ!? 同好会!? 聞いてないよあたし!!」
「……以前に顧問から聞いているはずよ。まだ男子二人には秘密にしてあるけれどね」
「……え、何で?」
「東君の親御さんは『部活動』に関して、条件を出している。それが今回『同好会』になった。つまりは、これで東君が十位以内に入れなくても『同好会』としての活動は出来るっていうわけ。東君が部活を本当に退部するのか否か、風見君はそれを引き留めるのか否か、そこが今回の肝なのだから、それを二人に伝えたらマズいでしょう?」
「あ、そっか……じゃあ、結局また東君とは一緒に活動できるんだね。何だかホッとしちゃったぁ……」
「では、瑠衣はそれを書いたらその紙を持って、二人の所へ説明に行ってきてもらえないかしら? このままだと二人、事情を知らないで、東君の父親を説得しに行ってしまうかもしれないから。」
「瑠衣は行かないの?」
「えぇ、まだやらなければならないことがあるの。先に行っていて頂戴」
「……まさか、東君の採点ミスでも見つける気?」
「!! ……何よニヤニヤと。私が東君に指示を出したのだから、責任も私にあるわ。部分点などの曖昧な箇所を追求していけば、十五点ほどなら加点は可能よ」
「いやぁ、やっぱり可奈江って甘々だよねぇ~。やっさしぃ~!」
「……」
「ほらぁ~照れないの。じゃあ、あたしは行ってるね」
「えぇ、お願いするわ」
「りょーうかーい!」
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