第30話

~father's love~

「あれパパ? どしたの泣いちゃって?」

「……泣いてない。それより、瑠衣」

「ん?」

「あの子と、付き合ってるのか……?」

「ぶっ」

「……そうか。……キスはしたか? デートは?」

「ななっ、ななな何言ってるのパパの馬鹿! そんなの教えるわけないじゃん、ほらもう早く寝るよ!! ちゃぶ台どかして!!」

「しだのか。……瑠衣も、女の子なんだな。母さんも、昔はこんな初々しかったっけか。……あの子も芯は通ってるが、まだ青い。……一緒に寝る時は、きちんと避妊g」

「うるさああああぁぁぁい!! もうパパなんか知らない!!」

「……瑠衣」

「知らないって言ってるでしょ!! 話しかけないでよこの馬鹿!!」

「……うぅ、あああああああ!」

「えぇ!? 何でパパが泣くの!? ほらほら落ち着いてって、まだお嫁さんに行かないから。あたしまだ高校生だし」

「! そうか、あの子は年下か。でも……あの子も十八まであと一年しかない……!」

「だから奏太は違うって……まだそんなとこまで行ってないし……」

「……ほら、いつの間にか下の名前で呼んでる……前は神保の嬢ちゃんしか名前で呼んでなかったのに……」

「だから違ぁぁぁあああうッ!!」

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