おっさん己を確認する

ギャーギャー!


「ハッ! 俺は………無事なのか?いや、無事だな。多分。」


アトゥム神に落とされてから、謎の鳥(推定)の鳴き声で目を覚ます。見た所俺は襲われてはおらず、近くに獣の気配も無い。……いや、そんな気配を自分から感じた事はないので、恐らくとしか言えんが。


「うーむ、どうするか。………いや待てよ?確かここはジェプトって言ってたよな?って事は、[ステータスオープン]。っ!!」


すると、目の前に音も無く半透明の青いパネルが現れた。



Name :ジャン=ロー=スミス

Sex:男

Race:混血児ハーフブラッド(エルフ族・ドワーフ族)

Job:メイン:万能戦士バトルマスター Lv372(臨界突破)

サブ:創造師クリエイターLv186(臨界突破)

所持金:5,000Gゴールド

Skil:〔生産:Lv500〕〔修復:Lv400〕〔戦闘技術:Lv500〕〔武器技術:Lv500〕〔虚空庫こくうこ:Rank50〕〔全属性オールエレメンタル・魔導・極:Lv400〕〔聖魔神術:Lv350〕〔付与術・極:Lv300〕〔全知眼ゼウス・アイ:Lv500〕〔隠形術ステルス:Lv350〕〔異世界翻訳:Lv1〕

Title:〔異界より生まれし者〕〔死を経験した者〕〔臨界突破者〕



「どうやら本当にジェプトに来ちまったみたいだなぁ。」


いやまぁ、別に疑ってた訳ではないが。


「ふむ。スキルの類いはほとんど統合進化させてたし、間違いはねぇな。でも俺ってゴールドこんだけしか持ってなかったっけ?確か虚空庫には素材を詰め込んでた気がするんだが………おぉ!素材もまんま残ってる!」


しかも虚空庫のデフォは、虚空庫内の時間停止。つまり中の素材が取れたてのまま、最高の状態。こりゃ今すぐ生産出来るな。


テレテッテッテー♪

《メールを1件受信しました。》


「あん?メール機能が生きてたのか?いや、アトゥムが送ってきたんだろうな、多分。」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

題名:無題

差出人:アトゥム・クヌム・プタハ(創造神)

添付フォルダ:[魔法辞書]


やぁ!そろそろ目が覚めて落ち着いて来た頃かな?君を転生させたアトゥムだよ!

さて、取り敢えず君は"天地創造"のゲームキャラで転生してもらった。そっちの方が生き残りやすいし楽しみやすいからね。そして説明。多分お金が少なくなってる事に疑問を持つだろうけど、ジェプトって物価が安いんだ。金貨よりも下の銀貨より下の銅貨1枚で普通にパンが買えるからね。だからちょっと削ったよ。まぁ、直ぐに稼げちゃうだろうけど、あまりこっちの産業を壊さないでくれよ?勿論自然も、だけどね。

取り敢えず、常識とかはこのメールに添付した魔法辞書で調べてくれ。アクセサリーにもなるし、着けてるだけで言葉を訳してくれるから、中々の優れものだと思うよ?

追伸.何か僕にしか頼めない事があったら、1年に3度だけならOKだからね?

追追伸.

大丈夫とは思ったけど、一応サービス終了した後に転生させたからね。プレイヤーがいない前提で生活してくれ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



中々に長いメールではあったが、添付されてた辞書と言い、アドバイスと言い、とても有難い。…………ただ、転生の時はもっと丁寧にしてくれれば、評価はもっと高かったのに。と思わなくもない。

そして追追伸か。恐らく自分アトゥムは俺以外転生させてないって言ってんだろう。……つまり、これから俺以外の転生者に会ったら、それは他の神から干渉を受けている可能性がたけぇって事だ。めんどくせぇな。そうそうあるこっちゃねぇだろうけど、めんどくせぇ事にゃかわりねぇ。ま、軽ーく隠居生活を送りましょうかね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る