第2話 黒いバインバイン神 アシタロト

黒パンストバインバイン――カノールは遥か彼方に見える、白い神殿を望んでから、ぞうさんの後を続いてついてくる自身の神を見やった。


正直、ぞうさんを10頭揃えるというか、レンタルするのは大変だった。


ぞうさんの尻尾には「わ 00-01」というナンバーがついている。


白い馬鹿どもの巣窟に着くまでまだかなりかかる。


レンタル期間は3日だ。


行きに2日。帰りに2日。もしかするとお泊りもあるかもしれない。


まずい……非常にまずい。レンタル1週間にして観光も入れるべきだった。


だが! 我が神アシタロトのほとばしるやる気感を削いではいけない。


アシタロトはやる気満々で前進している。


口もないのに、「フッマッセッロー↑ フッマッセローヤー↑ フーマッセッロー↓」と謳っている。機嫌がいい証拠だ。


ちなみに、アシタロトは黒いバインバインが黒髪に包まれ、バインバインの下から直接スラリとした美しい黒い脚が伸び、その足には黒いハイヒールが履かれている。


その昔、天地創造の時にハゲタロスの足の型を取ったものを靴にして婚姻の印としたのだが、何事かあって二柱は別れたのだ。


もしかすると、性の不一致だったのだろうか……。


そこら辺について、アシタロトは何も語ってくれないのでわかんない。


カノールは頭の悪そうな自身の神を再び振り返ったのだった……。





ちなみにカノールの手下は皆黒いパンストと黒いハイヒールを穿いて、足元の悪い中ヒイヒイ言いながらぞうさんについてきているので、カノールを罵倒する憎悪に満ちているが、カノールは完璧にシャットダウンしている。


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