第9話 もちもち

もうすぐ正月になる。


そんなある日、ウミーンが命じた。


「もちもちの日じゃ」


すると、神殿巫女一同、深刻な顔つきになった。




みんな、どうしたの〜? (*´ω`*)



ミズキはもちもちというのだから、餅つき大会のことを思い浮かべる。



お餅美味しいよね〜(*´艸`*)






が、




もちもちとはネバネバしたもちのみというものをすりつぶし、相手構わず投げつけるという、ある種、嫌げな祭りのことだったのだ。


「わらわはハゲタロス様のもとで見ておるゆえ、皆のものは余興のためにもちもちするのじゃ」


思い出したように、黒髪の白ガーストすっぽんぽんチッパイのウーミンがミズキを見た。


「ミズキ様はわらわと高みの見物じゃ」



「高み……どうなるんだろ〜」((o(´∀`)o))ワクワク





果たして、桶10杯分はあろうかというもちのみが集められ、桶の中で神殿巫女達の足で踏み潰されいく。

納豆のようになっていくもちのみを見て、ミズキは


わ〜、高みの見物で良かった〜ε-(´∀`*)ホッ





さて、準備が済むと神殿巫女や神殿騎士たちはバケツ一杯分のモチモチを受け取り、決められた場所に配置した。



闘技場のようになった円形の周囲にずらりとすっぽんぽんが並ぶのは壮観だ。


しかも上の下も着てないし、身につけているのは白いレッグウェアのみ。



「始めるのじゃ!」



容赦のないウーミンの一声で、巫女と騎士が手にもちもちを取り投げつけあい始めた。


ねば〜


べちょ〜




もはや髪と言わず体中に白く粘るもちもちがへばりつく。


しかも強力な粘着力のあるもちもちは、隣り合った騎士や巫女たちをひっつけあって、頬やら唇やら、チッパイもブルンブルンもプルプル、たゆたゆ、ありとあらゆる場所と場所をひっつけ合う。



もがけばもがくほどひっつきあい、次第に巨大な白い塊と化していく。





これの何が面白いの???? (?_?)




ミズキが理解不能に陥った時、ウミーンが片手を上げた。



「ハゲタロス様の禊を!!!」





その掛け声とともに、ウミーンの背後に立つ巨大なハゲマッチョの股間の偉大なるものが尻からはずれて、ぞうさんのお鼻のように掲げられた!






じょぼじょぼじょぼじょぼ





湯気の立つ、黄色い水が白い塊と化した巫女や騎士たちの頭上に降り注がれた。


やがて、もちもちは洗い流されていき、黄色いお湯まみれになった巫女と騎士たちが地面にぐったりと這いつくばっていた………………




わー……( ゚д゚)ポカーン




ミズキは言葉もなく、ただただ頭上のニット帽を握りしめ、あの中に自分がいなかったことをハゲに感謝するのであった……。








後日談――――。



「ねぇねぇ、もちもち祭り、どんな感じなの〜?」


ミズキが無邪気さを装いライティにたずねると、ライティは眉をしかめて何も言わずにスタスタと去っていったのだった。

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