第3話 ハゲタロスの神に導かれしもの

 オーガより救い出されたミズキはライティの案内で、洞窟の外へと出て行った。


 眩しい陽の光が、ミズキの頭上で輝く!


「あっ」∑(゚Д゚)


 慌ててミズキは頭へと手をやった。



 フワフワ。ニットの肌触り。しかし、日差しは強く、まるで夏のようだ。


 ミズキは早くも汗をかき始め、頭が蒸れてくる。


 異世界にやってくる前、ミズキは完全防寒のサラリーマンだったのだから当たり前だ!


「暑いよお(ノ_<)」


 みずきが汗だくになっていると、ライティがすぐさま気づき、心配して話しかけてきた。


「大丈夫ですか? 予言されし少女よ?」


 深い藍色の瞳が心配そうに覗き込む。


 金髪のツインテールがさらさらとライティの肩に垂れ、毛先が、くすぐるようにきょにゅうの先っぽに当たっているのを目にして、ミズキは慌てて首を振った。


「だ、大丈夫だよ! そ、それよりなんで…‥」


 ミズキが言うより早く、ライティが説明してくれる。


「あなたも気づかれたのですね。この聖なる鎧を。これは我が神、ハゲタロスが下されたもの。ハゲタロスに仕えし巫女騎士は皆、聖なるレッグウェアを身にまとっているのです!」


「せ、聖なる?!∑(゚Д゚)」


「きっとハゲタロス様は、あなた様にも聖なる鎧を下されるはずです」


「ぼっ、僕は大丈夫だよう( ̄O ̄;)」


 ライティは腰の鞘に両手に持った剣を収めると、ミズキを神殿へと案内した。


 ミズキはさすがに暑くて死にそうだった。


 片手に下げたビジネスバッグが重たい。


 小さくなった体にこんな重たいものは持ってるだけで辛くてたまらない。


 ライティが見かねて声をかけてきた。


「予言の少女よ、その黒い箱をわたしがお持ちしましょう!


「え?! いいの!?∑(゚Д゚)」やったー(≧∇≦)


 しばらく草原を歩くと砂地の道が見えてきた。


 道に沿って藁葺きの白レンガの家も立っている。


 そのはるか向こうに壮大な白い神殿がそびえていた!!

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