第2話 勇者になれないのは想定の範囲内です


白い空間に視界が慣れてた頃

(だって、周りすべてが白・白・白・白・シロ・siro だと、目がチカチカする)


日向ひなた 創司郎そうじろう様】 でお間違いありませんか?」

視界には移らないが,はっきりとした声が響く。

「あなたは現在別の世界に移動されています」


あぁ,なるほど。

察したよ,察してしまった。


「つまり,異世界転生というやつですか?」


「はい,現実には異世界”転移”でありますが・・・(以下)」


つまり,この自称女神様が言うには,

学生4人が勇者召喚に,厳密には勇者一人とそのパーティメンバー3人の構成として呼ばれるはずだったが,うっかり自分も巻き込む形になった。


あの魔方陣には4人分のパイプしか余裕がなく,5人目が入ると,正常に機能しなくなり,必ず事故が起こる。

(要は,トイレにトイレットペーパーをぶち込みすぎて,流したら詰まるor水道管破裂 みたいなものか)


そのため,余分な自分をこの場所に呼んだと言うこと。


「それで,元の世界には戻れるのですか?」

これが肝心。日本で築きあげてきたことが無かったことになるのは辛い。もちろん家族に会えなくなるのも含めてだ。


「申し訳ありませんが,あなたの世界は上位世界であるため,可逆性ではありますが,元の世界に戻すためのエネルギーがとてつもなく大きく,事実上不可能に近くなっております」


なるほど,じゃあ完全に可能性が絶たれるわけではないと言うことか。

イメージは,水を 【上→下】はほとんどエネルギーを使わないが,【下→上】へは,ポンプで汲み上げればならないように,大きなエネルギーが必要になると言うことか。


「その大きな力は具体的にどれくらい必要なの?」

これを聞いておかねば,実行性があるかの判断ができかねる。


「これは概念的なので表現しにくいですが,世界レベルが段階上がるごとに,上級神が1人がエネルギーとして消滅してしまうレベルです。

あなた方がいた「地球のある世界」レベルは【第000023612864321682】として認識されています。

今召喚された世界レベルは【12753225612864321682】となっております。わかりにくいですが,あなたの世界レベルは「14桁」のレベル,新たな世界レベルは【20桁】となり,レベルが6異なります。このレベルは,桁数が低い方が優勢世界になっており『上位世界と認識されます』。このレベルの差を埋めるには,上級神128人分の生命エネルギーが必要になります。

それでもあなたは,元の世界に戻ることをあきらめませんか?」 

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