5話 聖剣の取引

 ウタイ「帰る。立派な勇者候補が来ると良いな。」


 錆びた剣「わぁ待て待て!さっきの態度は謝る!この通り!」


 ウタイ「いや、どの通りだよ。お前、剣じゃねぇか。」


 錆びた剣「気持ちは土下座してる勢い。」


 ウタイ(うぜぇ!)


 錆びた剣「でも、我輩を抜く利点はある!貴様、利点があれば我輩を連れていくだろう?」


 ウタイ「利点?」


 錆びた聖剣「我輩は、錆びても聖剣。価値はかなりある。我輩の人気は世界的だから。

 だから、ウタイは


 ウタイ「説明もウザいな。勇者にならなくても良い?」


 錆びた剣「我輩を勇者に相応しい者へ売ってくれ。そうすれば大金が貴様に入る。」


 ウタイ「……なるほど。」


 錆びた剣「ついでに世界の平和も解決!いぇい!」


 ウタイ「なんてゲス聖剣。」


 世界の平和がついでって


ウタイ「でも、確かに悪くねぇ取引だ。別に安値でも、こんなボロ剣売れれば儲けもんだしな。」


錆びた剣「なぁ、ボロ剣はやめよ?凄い我輩傷つく。」


ウタイ「刀身ボロボロじゃねぇか。」


錆びた剣「しかし、我輩名前が思い出せん。何百年も呼ばれなかったからかもしれない。そうだ。ウタイ。」


と、錆びた剣は無邪気な声を出す。


錆びた剣「名を付けてくれ。」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る