2話 言葉を喋る剣
錆びた剣「よく来たな。新たなる勇者よ。我輩は聖剣。遥か昔、魔神との戦争に終止符を打った勇者の……ねぇ、ちょっ、聞いてる?」
ウタイ、もっちゃもっちゃとキノコを食べながら死んだ魚のような目をして聞いている。
ウタイ「聞いてるよ。」
錆びた剣「ならね、キノコ食いながら聞くのはよそう。マナー悪いし。こっちは雰囲気作ってる訳だし。」
ウタイ「うまっ!」
錆びた剣「いや、聞いてないだろ! キノコ美味いのわかったから、我輩の話聞いて!お願い!」
生でも食べられるキノコ、シンセンダケを食べ終わるウタイ。
錆びた剣「よし! 食べたな! じゃあ語るぞ。我輩の歴史とその栄光を語るぞ!」
ウタイ「ごちそうさまでした。じゃっ!」
錆びた剣「うおおー! マイペースっ!」
と、帰ろうとするウタイを必死に止める錆びた剣。
ウタイは気だるそうに振り向き、答える。
ウタイ「だってよ。その話、俺にメリットがあんのか?」
錆びた剣「いや、無いけど……ほら物語的に必要なお話しではないか。わかるだろう。」
ウタイ「無いなら……じゃっ!」
錆びた剣「うおーい! ごめんって!聖剣謝るから!」
錆びた剣は必死に続ける。
錆びた剣「本当は寂しかったんだよー!もう何年も一人ぼっちだったから話したかったんだよー!」
ウタイ(本音だ……。こいつ本音言いやがった。)
ウタイは錆びた剣がかわいそうになってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます