1話 出会い

○ 英霊の森ーーウタカタ村から約5㎞圏内


 ウタイ、岩に突き刺さる錆びた剣に歩み寄る。


 ウタイ「これは……剣?」


 と、ウタイは訝しげに岩に真っ直ぐ突き刺さる錆びた剣を観察する。


 ウタイ「凄いな……。古の宝具と同じ模様が柄に細かく描かれている。」


 腕を組み二回、感慨深く頷くウタイ。


 ウタイ「ただの森じゃねぇとは思ってたけど、こんなお宝があるとは。いつの時代の剣だ?これ。」


 と、顎に手をやるウタイ。

 目を細くし、剣を見つめる。


 ウタイ「しっかし、錆びてんな。この剣。ぼろぼろじゃねぇか。」


 ウタイ「うわっ! くさっ! ……触りたくねぇな。すぐ折れそう。剣としての価値は死んでるな。」


 ウタイ「お、美味しいキノコ発見。ふぅー!」


 ?「ふぅー!じゃねぇよ! 興味持とう! 目の前の聖剣に興味と好奇心を持とう!

 というか、折れそうだから我輩! 貴様の言葉に折れそうだったから!」


 と、いきなり喋りだす錆びた剣のツッコミに、後退りし驚くウタイ。

 ウタイは目と口を大きく開いて、心の中で思った。


 ウタイ(え?なになに?とりあえず……ツッコミ長っ!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る