第6話  放課後

今日は男子テニスの練習がある、けれども彼はまだ席に座って外を眺めていた。


何を考えるでもなく、ただ座っているだけ。


...周りから見れば「心此処にあらず」だろうか


教室の壁時計はそろそろ4時を示す。


部活は30分も後だから時間はないわけではないが....。


教室に残っているのは彼だけではないが、今は彼だけが教室にいる。  


....残っている数名はテストを受けに行った。


彼は、空を見つめてはため息を吐く。


その視線は、空の雲。  珍しいハートの雲。


「花束....」


彼は、そう呟いて、横にかけたカバンを肩にかけ、少し転びそうになりながらも、コートへと向かった。




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