落っこちた木の実④

またしばらく歩いて、池の近くまで来たときでした。

地面に少し盛り上がったところがあって、猿はそこに躓いてしまいました。

とっさにもう片方の足で踏ん張ったので転びはしませんでしたが、躓いた勢いで木の実が一粒、池にポチャンと落ちてしまいました。

猿は抱えていたたくさんの木の実を一旦置くと、大きく息を吸って池に飛び込みました。

できる限り速く泳いで、沈んでいく木の実をなんとか掴みました。

猿は木の実をしっかり握りしめて陸に上がり、置いておいた木の実を再び抱えると、いつも寝床にしている木の上へと帰っていきました。

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