落っこちた木の実③

しばらく歩いたところで、急に強い風が吹いてきました。

猿は木の実を強く抱えましたが、一粒だけ風に飛ばされていってしまいました。

猿は慌てて目を皿のようにして地面の上を探しましたが、見当たりませんでした。


困っていると、少し離れたところを1匹の狐が歩いているのが見えました。

猿は駆け寄って尋ねました。

「あの、これと同じ木の実この辺に落ちてませんでしたか?」

訊かれた狐はしばらく地面のにおいを嗅いでいましたが、やがて木の根元にあった小さな穴に前足を片方入れ、青い木の実を取り出しました。

「これ?」

「そうです! ありがとうございます!」

猿はお礼を言って木の実を受け取り、また食べながら歩き出しました。




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