第6話

「あ、家の明かりついてるな......ただいまー!」



 家に帰ってみると、家の明かりがついていた。不思議に思いながら家に入るとほのかがリビングから出迎えてくれる。


「あ、はるくん。お帰りなさい!!今、夕飯作ってるから、ちょっと待ってて下さいー!



 ところで、今日は何でこんなに遅くなったの?」


 ほのかが理由を聞いてきた。アリサ会長とちょっと話したら帰ると思って居たんだろう。まあ、変に嘘つく必要もないしここは正直に答えよう。



「いや、それがさ、アリサ会長と現社研について話してたらこんな時間になっちゃって。なんだかんだあって今までのことも、俺が生徒会に入って真面目にやってるってアピールすれば不問にふしてくれるってさ」



「ア、アリサ.......へぇ、そっか、随分仲良くなったんですね」



「まあ、なんだかんだいい人でさ。俺もーー」


「あ、火を掛けっぱなしだったので、見てきます!」



 そういうとほのかは台所の方に戻って行ってしまった。せっかく夕飯作ってくれてるのに、邪魔しちゃって悪いことしたかな?


 そう思いながら俺は今日あった事を必要な事はぼかしながら部活のみんなに連絡しつつ、自分の部屋に上がって行った。







 あれ、そういえば。家の鍵って、掛けとかなかったっけ?









「..........一回だけだよ。はるくん」



ーーーーーーーーーー



 次の日、みんなと学校に登校し、いつもの様にほのかと教室に入ると皇が肩を組んで来る。何だ、鬱陶しいな。



「おいおい、聞いたぜ。遂にあのハーレム王神宮が学園五大美女、星羅院アリサに手を出したって」



「は!??おい、なんだそれ!!!」


 俺は身に覚えのないことについ声を大きくしてしまった。



「おい、落ち着けよ。いや、お前のことだから、根も葉もない噂だって否定しといてやったから噂は広まることはないと思うから。ただ......お前、気をつけろよ?」



 気をつけろ。それは、アリサ会長のファンには気をつけろ、ということだろうか。我が悪友、皇賢人はなんだかんだいい奴だ。女の子達にあれだけモテる理由も、こういういちいち気が利いているところも大きいんだろうな。



「ああ、ありがとう。気をつけるよ」


「んー。イマイチわかってない気がするけど。まあ、いいのか?」



 そんな事を話していると、ほのかは不思議なものを見る様な目でこちらを見てくる。



「どうしたんですか?はるくん。今日は珍しく、やけに皇君と仲良いですね、何話してるの?」



 ほのかが話しかけて来ると今度はすめらぎが抱きついて来る。暑苦しい......


「ほのかちゃん。これは男と男の間でしか語り得ない、男同士の話って奴なのさ!!いくら、ほのかちゃんでも、俺たちの間には入り込めないぜ!!!」


「おい、やめろ、暑苦しい」


「そ、そうなんだね。はるくん、皇君ごゆっくり......」


 ほら、お前のせいでほのかがちょっと引いてるぞ、おい。



ーーーーーーーーーー



「くぅー。やっと四限終わったかー!」



 俺はしばし授業からの解放感に浸って居た。



「はるくん。お昼、今日は本当に作ってこなくてよかったんですか?」



 ほのかが心配そうな顔でこちらを覗き込んで来る。そうだ、俺ものんびりしてる場合じゃない。



「ああ、みんなと食べれるんならほのかのお弁当、すごくありがたいんだけど。流石に生徒会の初顔合わせにほのかのお弁当持参、ってわけにも行かないだろ?テキトーにパン持って行くから、大丈夫。放課後はちゃんと部室行くからよろしく言っといて」



 そういうと、ほのかはそうですか......と言って黙ってしまう。なんか、最近ほのかに気を遣わせてばっかでわるいな。今度埋め合わせしよう。


 そんなことを思いながら、俺は時計を確認して生徒会室へと向かった。


 

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