第74夜 能動的三分間

(2018/08/28 00:43:11)


神戸も京都も大阪も。お金を払って美味しいものも食べた。三日間時間を使った。


例えば顔が好みだから好きだとか、性格が合うから好きだとか、ヒトを好きになるには理由が求められる。僕は恋人の何が好きなのだろう。はっきりしない。

Yさんはとても顔が好みだ。もし付き合えたら周りの人に自慢して歩きたいくらいの可愛さだ。そう思うのが僕だけであっても、それでも構わない。とにかく顔が好きだ。

Mは時々めんどくさい性格になるが許せる愛くるしさがある。お互いにずるい。浮気をし合って、寂しくなれば勝手気ままに連絡をする。ふと思い出したように愛しくなり、涙なんか流したりもする。愛してるんだと感じる瞬間だ。

じゃあ彼女はどうだ。明確な理由が述べられない。


今夜、死んでやろうかと、毎夜思う。

そしたら誰が泣くだろう。

Kがもし涙を流すのならば、僕の命にも意味があったのだと感じられる。後悔するだろうか。

皆で涙を流して、愛して、恨んで、弔って欲しい。


夏休みを取って、県外に出かけても、僕の気分は何も変わらないのだなと思ったので、日記を付けてみた。もう一生無感動無感情なのかもしれない。

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