第6夜 閃光少女

2016/06/22

映像と言う媒体は恐ろしく、いつでもその時間に引き戻される。蒸し暑く寝づらい梅雨の夜には、特にあの透けた髪を思い出させた。

とはいってもまだ日は浅く、いつもの記憶喪失までそう遠くは無い気がした。すでに秋の京都へ、頭が移行しつつある。


しかし私には越えなければいけない夏がある。

いつだって夏は、私にヒトと出会う試練を与える。

いかにバランスを崩さず、ヒトと関係を保つか。

近づき過ぎず、遠過ぎず。

むしろ遠い方が楽なのかもしれない。

どうしても私は、ヒトに近づき過ぎてしまうのだ。それが良くない結果を招く事を分かっていても。


この歳になっても、見ず知らずのヒトに道を尋ねられる。老若男女問わず。例え外国人でも。


これを貴方は、私の長所とした。


もちろん良い事だ。



そんな私にとって、ヒトとの関係を深め過ぎない事は難しい。


そう、相手は私に騙されてしまうのだから。

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