特にファンタジー作品を作り上げる際、ぼんやりとした知識ではリアリティが欠けがちです。
じゃあどうやって調べればいいのか?調べれば調べるほど世界史は奥深く広すぎて、どこから手を付けていいかわからない!
そんな時の着想のヒントにもなる雑学まとめです!
ふんわりとした認識しかしていなかった、王と貴族の関係や昔の人々の食生活、事実は小説より奇なりを体現するようなエピソード、と読むだけで理解やイメージを掴むこともできます。
それ以前に、純粋に雑学としてもおもしろく、まとめ方も大変分かりやすいです。
こういうのを調べたい!という時のヒントにもできます。興味がある事があったら、そこから広げていくのも楽しそうです。
68話までの時点では、世界史の中でもインド以西を主体に様々なエピソードが編纂されています。"編纂"が適切な表現です、本作は。
大半の閲覧者にも賛同してもらえると思うのですが、中国以外の世界史では登場人物の名前が片仮名なので、教科書に記載された内容が脳味噌に引っ掛かりません。ところが、本作では割とスンナリ頭に入ってきます。
更なる本作の楽しみ方として、応援コメントも併読してみて下さい。作者と互角に対話できる方が合の手を入れていて、それがまた理解を深めます。
加えて、(作者に迷惑が掛からなければ良いのですが)、疑問に感じたら素直に応援コメントを通じて作者に質問してみましょう。面倒見の良い作者が回答してくれます。
作者の別作「日露戦争の権益を売ったら?」の短編を以前に読んだのですが、非常に面白かったです。当時は、文体から想像するに、こんなに博識な方だとは思えず、「偶然のポテンヒットにしろ中々にツボを押さえた発想で物語を紡ぐなぁ」と失礼な感想を抱いていました。本作を読んで作者の歴史知識の量に感嘆し、次は長編を読もうと考えています。
最後に作者へ。フォローを外さないので、意欲が復活したら、連載を再開して下さい。
歴史って知ってるようでいて知らないもの。
ネタとしては知ってても、なぜ歴史がそうなっちゃったのか、歴史の中でどんな文化が生まれて、どんなふうに使われてたのか、なんてのはわからないのがほとんどです。
で。この『歴史雑学』、この「なぜ」やら「どんな」を、専門用語なんて使わず、例まで挙げてきっちり説明してくれてるのが最大の特徴。
しかもまた守備範囲が広い! 歴史の流れだけじゃなくて食文化やら下トーク(!)まで、実に多彩なんです。
世界を作るものは歴史。歴史とは必然をもって積まれるもの。
その真理を1話あたり5分で感じさせてくれるこの一作、歴史好きな方はぜひご一読いただきたいです。
あと個人的には、異世界ものを書かれてる方にオススメしたいところ。
賞の応募作でも、世界観がちゃんと構築できてないものは多いですからね。これはすごく役に立ちますよー!
(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=髙橋 剛)