第60話 モヘンジョダロとインダス文明

●インダス文明

 四大文明のひとつに数えられ、紀元前2300年ごろから前1800年ごろまでに栄えた。この文明は、インダス川下流域のモヘンジョダロとパンジャーブ地方のハラッパーを中心に栄えた都市文明であった。その数はインダス川下流域で60にも及んだという。

 ハラッパーもモヘンジョダロも発見されたのは、20世紀にはいってからである。


●モヘンジョダロ

 イギリス人の考古学者マーシャルが1922年に発見し、発掘作業にはいる。

 モヘンジョダロは、整然とした都市計画に基づいて作られた都市で、紀元前2000年ごろという超古代に作られたにもかかわらず、驚くべき設備を備えていた。

 

 □東西南北に直角に交差する広い街路

 □焼いたレンガで造られた家屋、作業場、浴場

 □排水路を完備(これが最も驚くべきことであった)


 このように、高度な技術をもった設備をそなえていたモヘンジョダロには、彩文土器や青銅器・印章などが発掘され、印章や粘土板には文字が刻まれていた。この文字はインダス文字と呼ばれるが、いまだ未解読であるのが残念である。


●インダス文明のその後

 インダス文明は紀元前1800年ごろに急速に衰え、その姿を消してしまう。この地にあとから文明を築いたどのインド文化にも影響をあたえていないので、いまだにインダス文明がどこから来て、どのように姿を消していったのかは謎である。


 モヘンジョダロが発見されるまで、世界最古の上下水道は古代ローマのものでした。それがモヘンジョダロの発見で千年以上昔から上下水道があったことが分かったのです。

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