第44話 マヤ、アステカ
マヤとアステカについて雑多なものをまとめました。
●マヤ文明のルーツ
マヤ文明の最盛期は紀元300年~900年ごろで、他の文明にない特徴としては、もち送り式アーチ工法による巨大建築(大航海でもいくつかの遺跡がでてきますね)、独特の文字体系、当時としては驚異的に優れていた天文学の知識とそれに関連する数学の知識などがあげられる。
例えば、一年が365日だということも把握していたし、「ゼロ」の概念も知っていた。
(公式には6世紀にインドで生み出されたとされているが、異説もあり、紀元前2000年以上前のシュメール人がすでに0の概念を知っていたとされる話もある。シュメールについては、私自身もかなり好意的に見ており、現在言われている基本的な数学知識・土木技術などはギリシャが出るはるか昔、シュメールによってすでに完成されていたと個人的には思っています)
ともかく、この優れた知識を持つマヤ人が、望遠鏡や測量器なしでどのようにして正確な時間把握ができたのだろうか?
もし肉眼にたよるなら数百年の時がかかるといわれている・・。しかし、マヤ文明はその当初から優れた天文学の知識を持っていた。そこで注目されたのが、マヤ以前の紀元前800年-300年ごろに栄えたオルメカ文明との関連性である。
●オルメカ文明とは?
オルメカ文明は、トナラ川流域の広い沼地に浮かぶ島ラ・ベンタを中心に栄えた文明。雨と水をつかさどるジャガー神を信仰していた。
このジャガー神はメソアメリカで最初に神格化された神様である。また、代表的なオルメカ文明の遺品としては、30メートルに及ぶ土で作った神殿ピラミッド・「ベビー・フェイス」と呼ばれる土偶や石偶・ジャガーの爪や口・巨石人頭像などなど。
そして、オルメカ文明で特筆すべき点は、文字と数字をすでに考案していたこと。
このオルメカ文明で培われた膨大なデータがマヤに生かされたというわけだ。
●パレンケの碑文記録
マヤの古代都市遺跡のひとつであるパレンケの碑文記録は、パレンケの繁栄を築いたパカル王の壮麗な墓の石棺などに刻まれている。
615年、12歳で即位したパカル王は、生前に大宮殿と呼ばれる建造物群と自らの埋葬用神殿である碑銘の神殿を建設した。
碑文の記録によれば、パレンケは数多いマヤの中で唯一女王が存在した都市だったのである。
つまり、マヤのこれまでの父系相続という継承原則を破った唯一の王朝だった。
資料からみて確実な女王の存在は、583年から604年にかけてパレンケを統治したオルナル女王と、612年から615年までに内政を司ったザク・クク女王。また、ザク・クク女王はパカル王の母親。
この女王の誕生は、女王が存在したパレンケ王朝の中でもやはり異例の事実で、パカル王は母系継承と神話をまじえて支配を確実なものにしたようだ。
パカル王が残した碑文の中には、神話と現実を巧みに融合させた王朝史が刻まれている。
これには、初代の王バラム・ククから少なくとも16代の王位継承が行われたことが刻まれており、それぞれの王の誕生から即位、死に至るまでが詳細に記述されている。
しかしながら、初代のバラム・ククをはじめ実在性が疑わしい者も多数存在しているみたいだ。例えば、神話の話の後に突然バラム・ククが登場し、彼の生誕について没についての記載が全くないのだ。
この中で、パカル王は、王朝系譜の変更に正当性をもたせるため、自らの母ザク・クク女王を、現世が創造される前に誕生した神話上の「最初の母」と重ね、自分を神の子として神格化したみたいだ。
というわけで、巧みに神話と現実を絡めることで女王が誕生できたというわけである。
古代において、女性が支配者になることはこれほど難しいということを示した一例だとおもいます。
アステカの歴史観として面白いものが、現在の文明は第5文明だと言われているところがあります。これを見てみましょう。
●宇宙の大いなる周期
アステカもマヤでも宇宙には大きな周期があると信じられていた。この周期とは、文明が栄えてそして滅びる大きな周期と言い換えることができる。神官たちは、「過去に太陽が4代あった」と述べている。
◆第一の太陽
4008年続いたあと、水で滅びた。8組の男女が生き残る。
◆第二の太陽
4010年続き、風に滅ぼされた。
◆第三の太陽
4071年続き、火に滅ぼされた。
◆第四の太陽
5026年続き、血と火と水に滅ぼされた。
この4つの文明をあわせるとだいたい1万7000年になる。
現在の我々の世界が彼らのいう第5の太陽(文明)で、アステカ・マヤ族の高度な建築技術・天文学・暦学・工芸技術は以前の文明の名残であるという。
今回の太陽は血が好きらしく、アステカの人々は心臓が太陽のエネルギーを活性化することを信じていたため、たいたび生贄を捧げることによって滅亡の日を伸ばそうとしていたのだ。
この太陽、伝説によると2012年に滅びるらしい・・・・。サテ・・。
この風とか火とかは、何の原因で滅びたのかと、有力な説で列挙してみる。
◆第一
洪水
◆第二
台風
◆第三
噴火
◆第四
おそらく内戦
◆第五
地球の激変(環境の変化)
なんか、第五の滅び方・・・ほんとに昔の人が考えたのかというくらい的を得てると思います。
おまけ
●北部アメリカのホビ族の言い伝え
ホビ族もアステカと同じような考え方を持っており、世界は過去に3回滅びたと言い伝えている。
◆第一
人間の過ちのために焼き滅ぼされた
◆第二
地球の軸が傾いたために氷に覆われた
◆第三
大洪水で滅びた
――アステカの結婚
●結婚の相手探し
カルプリという氏族を重んじるアステカ社会では、結婚すると女性が男性のカルプリに入るという形がとられた。(今の日本と同じですね。用は、姓が男性に合わせるということですね)
適齢期になった若者は、カルプリの娘のことを良く知っている女性・仲人と相談する。この仲人は若者の両親や親族に会って話しをし、それから花嫁候補の娘を探して娘の両親のところに行き、今度は両人の相性を祭式暦の占い師に見てもらう。
こうして話がまとまるといよいよ結婚式だ。この結婚式は新郎の家で行われる・・・。
●結婚式はどんなの?
1、新婦と仲人が、たいまつを持った4人の女性と一緒に新郎の家に行く。
2、新郎の両親が庭で彼女らを迎えると、女性たちは中へ。家の中では新郎が、火のそばに敷いたゴザに座って待っている。
3、新郎の側に新婦が座り、二人の固い絆の象徴として、新郎新婦の着物のすそを結びつける。
4、神々のためにお香がたかれ、証人の男女二名ずつの老人が二人に食事を出す。
5、食事のあと、老人たちが祝辞を述べる。
●いい妻の条件とは?
よく働くかどうか!
これのみだ!
●妻の義務とは?
1、子供を生むこと
2、仕事を一生懸命すること
●夫の義務とは?
家族を養い、子供のよき手本となること。
このことから、アステカ社会とは老人を大切にする社会で(老人のみに飲むことが許された酒とかもあったらしい)、女性であっても重労働に従事していた。ということが読み取れる。
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