第40話 ドゴン族と占星術

●ドゴン族

 西アフリカはマリ共和国。ニジェール川上流のパンディアガラの横穴に住むドゴン族が住んでいる。

 1931年、フランス人学者が接触を試みるまでは、ドゴン族はいっさいの外部との接触を拒否してきた(大航海時代にはもちろんドゴンとの接触はない)。

彼らが語る天空神話について、オーパーツ(時代にそぐわない文明)を感じさせることがいくつかある。


■ポ・トロ

 宇宙一小さい星という意味で、こういった伝承を残している。

 「ポ・トロ」は人間の目には見えないが、天空で一番大切な星である。ポ・トロは夜空で一番明るい母なる星を50年かけて一周する。また、ポ・トロは全天で一番小さくて重く、白く、地上にはない金属からできている。」


●ポ・トロ伝承の検証

 古代人にとって、夜空で最も強く輝く白色の恒星はシリウスであった。われわれが一般にシリウスと呼ぶのは、天狼星で占星学ではシリウスAと呼ぶ。じつは、シリウスBという星があり、シリウスは連星なのだ。

 シリウスが連星であることがわかったのは、20世紀になってからで、1925年に、伴星のシリウスBが発見された。


■シリウスB

 シリウスBは白色矮星と呼ばれる星で、恒星が寿命を迎えたあと、自らの重力に耐えられなくなった恒星は、内に内に沈み込み、小さな高密度の冷たい星になる。これが白色矮星と呼ばれる。

 この白色矮星は、小さくて白く、地球上には存在しない高密度の物質で構成されている。なんと、シリウスAの三倍もの重量なのだ。

 このシリウスBは肉眼では見えないが、50年の周期でシリウスAを周回している。

 ドゴン族の伝える母なる星がシリウスAであり、ポ・トロがシリウスBであるならば、ドゴン族の人はどのようにして、肉眼では見えない星のことを知ったのか・・・・なぞは深まる。


神秘的なドゴン族。謎は深まりますね。

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