第38話 フランス病?イタリア病?

 マルセイユの酒場の片隅に、ほろ酔い気分の航海者が一人・・・生ハムを肴にビールを傾けている・・・。賢明な読者は彼を覚えているだろうか・・?そう、彼の名はチャッピー!くだらないことに情熱を傾ける微妙な人材だ!



 よお!またあんたか。なになに?フランス病ってなんだって?おまいそんなことも知らないのか!

 んじゃま、おいらが解説してやるわ。


 ん?なんだって?セリフが手抜きだって?それはおれじゃなくて、うみにいえよ!!!


 まあ、なんだ・・フランス病について知りたいンだってなあんた・・。


 この事件が起こったのは最近だ。1494年イタリアに遠征したフランス国王シャルル8世は、あっさりと征服を完了したんだが、何を思ったのか国王様・・あたふたと国へお帰りになったんだ。

 実は、フランス軍がナポリに滞在していたときに、兵士たちの間でおかしな奇病がはやりだしたからなんだ!

 はじめは局部(どこのことかは想像におまかせ)に発疹が出来るくらいだったのが、しだいにそれが全身に広がっていき、そのうち体に痛みが走り、耳が聞こえなくなったり・・・、頭をやられて発狂するものがでたり・・・。

 とそらまあ、大変な病気だったらしいぜ!


 この病気は性行為から感染するみたいで、ナポリの色気たっぷりな女にくらくら来たフランス兵たちが、お楽しみしすぎた結果、こうなってしまったんだとよ!!(おれにはなんもないのか?)


 あんた、ナポリに行くときは注意しなよ!


 この病気のおかげで、フランス軍は国に帰ったわけだが・・・、またたく間にこの病気がヨーロッパ全土に広まったため、俗に「フランス病」と呼ばれるようになったわけだ・・。

 まあ、まじめな話はここまでだ!


 もし、あんたがフランス人だったら・・フランス病と言われてどう思う?


 そうだよな!ナポリ女のせいで、この病気が広まったんだよな?


 そう!同じことを思ったフランス人たちは・・・


「ナポリ病」と呼んだらしいぜ!!


 まるで子供のけんかだよな・・・、でもな・・、この病気な・・、


 1493年にかのコロンブス一行が現地で感染して持ち込んだらしいんだわ・・・、


 んでさ・・、1494年に瞬く間に広がったというんだわ・・・


 おまいも思ってるだろ???


 いってやれよ!


 ・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・


 あああああ、とっとといえよ!


 お ま え ら や り す ぎ だ ろ !!!!!11111


 ・・・・・・・・・・。


 どうやら酔いすぎたみたいだ・・


 おしまい


●解説

 ここでいう、フランス病とは、梅毒のことです。梅毒は、1493年にコロンブスが持ち込んで、なんと1512年にはもう日本にも入ってきたそうです!!なんと旺盛なことでしょう・・・・・・。

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