第12話 スパルタ兵の食生活

 今回はスパルタ教育で有名なスパルタネタです。


●スパルタについて

 古代ギリシャ時代にはポリスという制度が発展していて、アテネ、テーベ(エパミノンダスのポリス)、スパルタなどがある。

 スパルタは元々住んでいた先住民をドーリア人が征服して建てたポリスだったので、先住民の数のほうがドーリア人より多かった。

 そのためスパルタでは、男子は全員兵役につき、幼少のころから厳しい訓練をほどこした。その厳しさは「スパルタ教育」など現代でも使われるほど有名である。

 満7歳になるとスパルタの少年たちは家元を離れ、訓練に入る。その後18歳で成人と認められ、20歳まで軍では非戦闘員として従軍する。

 20歳になると正規兵となり30歳まで常備軍として兵役につく。その後も死ぬまで質実剛健を主として暮らしていく。

 とまあ、この時代の人生が50年とすれば、半分以上を訓練ですごすほどのすさまじさであった。


●スパルタの食事

 ローマの思想家・伝記作家のプルタルコスの「英雄伝」に記されたスパルタの食事によると、兵士に一ヶ月に与えられる食事は以下のようになる。


大麦 1メディムノス(約73リットル)

ブドウ酒 8クース(約36リットル)

チーズ 5ムナ(約3キロ)

干したイチジク 2.5ムナ(約1.5キロ)

副食購入のための貨幣少々


<一日換算すると・・・>

大麦 約2リットル

ブドウ酒 約1リットル

チーズ 約100グラム

イチジク 約50グラム


 ちょっとまて............ブドウ酒はこの時代3倍くらいに薄めて飲んでいたそうなので、ブドウ酒3リットル!!!!

 飲みすぎだろ............

 パンも食いすぎ......チーズも............

 これで質実剛健とは......喰いすぎだろおといいたい。


 では、このスパルタ兵の強さを証明した戦いについても記載します。


●テルモピュレーの戦い

 ペルシャのクセルクセスは2年かけて対ギリシア作戦を練り上げ、いよいよギリシアに攻め込む。(前480年)

 なんとこの時のペルシャの兵数は6万から10万と言われている。

 これをスパルタ王レオニダスはギリシア連合軍7000を率いて、テルモピュレー陸挟で交戦する。

 テルモピュレーは山と海に囲まれた天然の要塞で、地の利を生かし、レオニダスは数で勝るペルシャ相手に互角の戦いを進めていた。

 しかし、内通者が出てペルシャ軍に挟撃されると、レオニダスは兵を撤退させるため、わずか300名のスパルタ兵を残し退路を切り開こうとする。


「剣のあるものは剣で。剣の折れた者は素手で最後までたたかった」


 と歴史家のヘロドトスがつづったように、スパルタ兵300名はレオニダス以下最後の一人まで勇敢に戦い、ギリシア軍を撤退させた。

 この戦争は、スパルタにとって美談となり、スパルタ軍はますます精強になっていく。

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