第3話

『ゆうちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん』

麗華は部屋に入った途端スマホを握りしめ、ゆうちゃんとのトーク画面を開くとスタンプを連打しました、力の限り。普段は使わない、あまり可愛くない子豚さんが号泣しているスタンプを連打しました。麗華の目の前がふるふると歪んで、手先も震えて、上手く連打もできません。いま思えば、先生にああ言われた瞬間、身を翻して部屋の中に入ってしまいました。あぁ言った時の先生の顔をちらりとも麗華は見ていません、見れるもんですか。おおよそ10分間スタンプを連打したころ、麗華の心のオアシスゆうちゃんから返信が。

(やめてくれる、びびるから。どしたの。)

(お隣さんが先生になって、好きですっていったら興味ないって言われました)

(は。もうちょい事細かに)

(だから、麗華は、先生にフラれたんです!!!)

((´・ω・`)まったくどうやったらそんな話になるんだか)

スマホの画面からゆうちゃんのため息が聞こえてきそうでした。


次の朝、学校に行き途中、ゆうちゃんに心の限り昨日会ったことをのらりくらり話したのです。

昨日は、ふと我に帰れば常に隣に先生がいるという緊張感で苦しくって後ろめたくって、九時になったら寝る麗華が12時まで起きていました。麗華の記録的快挙です。ひたすらに眠いです。眠いなか、昨日のショックがじわじわと麗華の心にパンチを食らわせてくるのでますます気分は落ち込むばかりです。

『まぁ、先生としてはそんなもんでしょ、先生となんてどーせ上手くいくわけないんだしさぁ、気楽にいこうよ〜、てか、おととい先生のこと忘れるって言ってたばっかじゃん。』

『そうですけれど、ゆうちゃんが麗華の立場だったとして、この状況下ですんなりなにも考えずにいられます?』

『まー、そだなー、こんな漫画的な胸キュン展開だったらどうにかなるんじゃないかなぐらいの勘違いはしちゃうかもねぇー。』

よしよし、とゆうちゃんは言うと、今日は帰りにパフェでも食べて帰ろうと誘ってくれました。ゆうちゃんは麗華に甘いです。

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