退院記念日



癌の手術から1週間。


ジェイソンは手術痕からホッチキスを外し、やっと退院出来ることになった。


皆は走って来たのか汗だくで、息を切らしてるメンバーも居た。


「ジェイソン、無事に退院おめでとう!」


トロイがそう告げてジェイソンにハグし、背中を軽く叩いた。


「ありがとう、トロイ…それに皆も」


ジェイソンの言葉を皮切りに、それぞれがジェイソンとハグしたり抱き合ったりハイタッチしたりして。


わいわいガヤガヤしながら帰路につく。


「てかジェイソン家、親居ないのか?」


話しながら歩いていると、不意にチャドがジェイソンに問いかけた。


「うん、母さんはデザイナーで今回の仕事場はドイツ…父さんは建築士でなんかしばらくハンガリーで建築してくるってさ…仕事のタイミング悪くて凹んでたけど…」


ジェイソンはそう言って笑った。


「じゃあ、誰かん家居た方が良くないか?退院したばっかだし、まだ体力も戻りきってねぇから何か起きて1人じゃ対処し辛いだろ?」


チャドがそう提案すると、皆賛成した。


「でも、皆大変なんじゃ…大丈夫なの?」


ジェイソンがそう言うと、テイラーが笑う。


「大丈夫よ、心配しなくても」


そう言って、ジェイソンの肩をぽん、と叩いた。


「で、誰かん家って誰ん家?」


ジークが不思議そうに皆に尋ねた。


「うーん…どうするよ?」


何故かチャドがテイラーの方を向いて尋ねた。


「何で私に聞くのよ、チャド」


テイラーがチャドの肩をバシッと叩いた。


「皆でトロイの家は?」


不意にガブリエラが話した。


「トロイと家族が良いかどうかじゃないかな」


ライアンがトロイを見つめながら笑って。


「多分大丈夫、母さんは皆大好きだし大歓迎だろうから」


トロイも笑って答えた。


そして、時折休憩を挟みながら、皆でトロイの家に歩いた。

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