1ヶ月目の検診


抗ガン剤治療から早1ヶ月。


ジェイソンは嘔吐発熱し、大量出血し、髪が抜け、身体の痛みにも苛まれながらも、なんとか1ヶ月を乗り切った。


そんなジェイソンの身体は大分痩せてすっきりしていた。


今日は病状の経過観察検査が行われるようで、ジェイソンは車椅子に座らされ、ナースさんに押されていたそうだ。


どうやら、後から聞いた話によれば、強い疲労感の症状が出て、歩くことは元より、立つことすら辛い状態だったらしい。


検査を終え、ベッドに横たわって居ると、昼にも関わらず、皆が病室に現れた。


ジェイソンは驚いたが、いつものふにゃりとした笑顔を皆に向けた。


皆はそれにつられて笑顔になっていた。


「ジェイソン!結果はどうだったんだ!?」


チャドはジェイソンの手を握った。


「ん…リンパ近くの癌は無くなってて、腎臓の癌も小さくなってる」


「だから、来月には手術で切除して、手術跡が治れば退院出来る、って」


それを聞くや否や、皆がハイテンションになり、ハイタッチしたりハグしたり、涙を拭ったりした。


「やったな、ジェイソン!」


トロイがジェイソンの肩に腕を回した。


ジェイソンはトロイの方を向いて笑った。


「本当に良かった…」


ケルシーはホッと胸を撫で下ろし、安堵の息を漏らした。


「ジェイソンが退院したらパーティしようぜ!」


ジークの提案に、皆が大賛成して、色々話し合い始めた。


ジェイソンはそれを楽しそうに、幸せそうに眺めていた。


そして、仲間の大切さや有り難さを再度、強く認識していた。




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