第5話 残りのお仲間

ノーデル国イチの繁華街セイグルスリッド、ビタとリリィラを抜いた残りの三人はそこに飛ばされていた。


「ビタさん無能なのか天才なのか、ハッキリして欲しいものですね」


溶けるような水色の長い髪を靡かせながら少女はため息を吐いた、瞳は髪よりも濃い海のような青色で、肌はビスクドールのように滑らかな白さを持った美しい少女だった。


「才能はあるだろ、ただ今まで不当な扱いを受けてきたから精神性の問題じゃねぇの?失敗多いのはさ」


病的な色白い肌に乳白色のパサついた髪、見えているのかいないのか分からぬような糸目をした男が答える、一見優男然とした風貌とは似合わず口調は男性的だった。


「無駄口はおしまいだよ!兎にも角にも、みんなを探さなきゃだよ!合流しなきゃだよ!」


麻のようなガサガサとした生地でできた沢山の派手な色で作られた特徴的な模様の施してあるマントのフードを被った少女がぴょんぴょんと可愛らしく飛び跳ねながら、やる気を見せる。

褐色の肌は健康的で、オレンジに色づく頬も愛らしい。瞳はヘーゼル色でチラチラと見える髪は若草のように柔らかい緑色をしていた。


「“アイツ”もビタとリリィラと一緒じゃねぇの?」


「いつも肝心なところをハズすビタさんですよ!?残りの三人が一緒にいるはずないじゃない!」


「……エミューはビタに冷たいよ…」


水色髪の少女、エミューはバツの悪そうに咳払いをしてから二人を見据えた。


「ロゥロゥ、カーリン」


青年がロゥロゥ、少女がカーリン、二人はエミューの言葉を待つかのようにジッと見つめた。


「とりあえず宿をとりましょう」


苦笑いしながら続ける。


「どうせあの三人は自由に動きますから、行き違いになったらかないませんからね」


何もしないってことだよね、とカーリンが小さくため息を吐いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る