08/14/23:45――雨と風と月に狐
空を見上げれば、黄色に輝く月が浮かんでいる。それを視界に捉えた人は、さまざまな想いを胸に抱くだろうけれど、
晴れが嫌いなわけではないし、これはこれで
いつものよう、右の腰に刀を佩いた袴装束。何かを意気込む様子もない。などと評した矢先から、欠伸が一つ。
「――呑気なものではないかね?」
「よォ、
槍を片手に持ったスーツに槍を持った
「あー
「うむ、私も事情があって参戦することになったが、まさか異論を唱えるわけはあるまいな?」
「自己責任ッて便利な言葉があるからな」
「なに? お前、そんな言葉を覚えたのか……?」
「俺をどンだけ馬鹿だと思ってンだこのクソ女は」
「なんだ暁、ようやく私を女だと認めたのか。しかし、間抜け顔で欠伸とはどうなのかね」
「んー? こんなとこで意気込んでもしょうがねェだろ」
「――暁はいつもそんな感じだ」
ふわりと、夜の闇から姿を現したのは、
「準備に手間取ったのかね?」
「いや」
「どうだ見ろ暁、私のように会話で緊張をほぐす必要なく、こうしてだな、涼のようにぴりぴりしているのが普通ではないかね?」
「あー……ッくし! ……ン? なんだッて?」
「暁、まさか内部で何が起きているのか、知らない――なんてことは、ないだろうね?」
「お前らよりは知ってるぜ。だから言っただろ、てめェの命は自己責任だ。中のやつらが生きてようが死んでようが、戦闘にゃなる」
「であればこそ、緊張もしているのだがな……」
「ふうん? まァ気負わなけりゃいいンじゃねェか? ――ッと、行くぞ」
「気構えの暇もなしかね!」
「こんな男だ」
結界の揺らぎを感じ取った三人は、そのまま野雨と蒼狐の境目を越え――その先に出現した〝山〟の中、ただ一人、暁だけは驚きもせず、刀を左手で押すようにして鞘の先端を持ち上げると、低姿勢での疾走を開始した。
「なっ――」
空を見上げ、絶句する。今しがた上空を切り裂いた金色の閃光もそうだが、山の
第一位。
その言葉に、偽りは、ない。
「――っ」
涼が一拍の間を置いて走り出したのに気づき、咲真もまた、舌打ちをしつつも追随するように山を駆け上がる。既に暁の背中は見えなくなっていた。
どうして迷いがなかったのか。
そう問いを投げかけたのならば、暁はこう答えるだろう。
――足を止める理由がどこにある?
わかっていることの差は、もちろんあるだろう。けれど、九尾がそこにいて、閃光を放っており、それが上空に向かったのならばつまり、現状で〝誰か〟は生きているのだろうし、仮にいなくとも、ここで九尾と対面した以上、戦闘以外の道は、少なくとも暁は持っていない。
いくつかの可能性を考慮したところで、最大速度で現場に行って戦闘に入る。まずはそこだと、暁は行動を決めていたのだ。
二百秒。
稲森神社の境内だった場所に到着するのに必要だった時間は、それだけ。森から抜けた瞬間、ちりんと、数日前に聞いた髪飾りの鳴る音が、雑音に紛れて届く。
だから、最初の一撃を放とうとした時、暁は、自分の視線が狐の本体から尾に向くのを自覚した。
――何故?
その疑問と共に、どういうわけか、にやにやと笑っている青色の顔が頭に浮かんだので、考えるのを止めて。
居合う。
――始ノ章〝
まだ距離があったが、注意をこちらに向けさせたい暁は、構わずに水平の一撃を尾に向けて放つ。空気を刻む斬戟はそのまま、水面を小石が跳ねて飛ぶように向かう――けれど暁は走る。その衝撃波よりも速く、――ただ
――追ノ章〝
次いで停止――右足を強く踏み込み急激な停止動作からの居合いは、停止における衝撃の大半を刀に乗せて放出し、抜刀の方向は地面から上空へ向けた変則の形。その衝撃は滝を昇り上がる竜のようで、その顎は尾を噛み千切らんと迫る。
そして、停止の力を利用して暁は上空へと思い切り飛んだ――そう、飛んだのだ。
――終ノ章〝
尻尾のほぼ中央付近に向けられた空中からの抜刀、居合い。落下速度と力による強引な攻撃は、刃が当たるその一点にて――水走、昇水竜との合流を果たし三種の衝撃が合致した。
雨天抜刀・水ノ行第三幕〈
山地水に曰く、此れを盤石と然り、と
結果を待つよりも早く、暁は堅い尾の表面を蹴って場所の移動を開始した。相手が巨体であればあるほど、同じ場所に留まっていれば危険は増す。
夜空に、絶叫に似た咆哮が響き渡った。
「うるせェ……」
背後から追いついた二人に、顎で向こうへ行けと指示を出す。咆哮の余韻が残る中、すぐに二本目の尾が出現した――が、目立った動きはない。
首を傾げ、一息。
九尾の狐とはその名の通り、九本の尾が象徴となる。それが一本から二本へ増えたことに暁は疑問を覚えた。
最初から九本あって、一本ずつ減らすのならば頷ける話だ。相手の尾を削る、尾を減らす、それが弱体化に繋がるからである。しかし逆に、こうして増えるということは、次第に強くなると受け止めるべきだ――ならば?
少なくとも蒼凰蓮華は、討伐を目的としていない。
「あー……」
そういうことかと、納得が落ちれば、苦笑が顔に浮かんでしまう。
意を汲んでいるのだ、あの青色は。
あろうことか、この狐が持つ〝意〟さえも、汲み取って
事情を踏まえ、己の事情をさて置いて、そこから先の可能性を描く――可能性?
第三幕を一撃とはいえ、さほど呪力を消費はしていない、たかが一撃だ。雨天に言わせれば、単なる攻撃の一手であり、何よりもこの暁という男は、第一位という妖魔がこの程度で悲鳴を上げないことなど、経験上知っている――のならば。
たった一撃で、一尾が崩れ、二本目――おっと、今しがた三本目が姿を見せたが、これはどういうことか。
上空、その顔についた金色の瞳が腕を組んだ暁をぎろりと睨み、視線が合う。
「三尾……
高速で目の前を横切る巨大な三本の尾を見ながら、暁は頭を搔く。人が蚊に対し追うのが面倒なのと同様に、巨大であればあるほど小柄なものへの対応が難しくなるなんて初歩、思考できる妖魔ならばすぐに思いつく。
つまり、こいつは、小型になれないのだ。
三尾とは、三つの尾を持っているわけではなく、ただ、三番目の尾であるだけなのだ。ほかの尾を支配下に置いているわけではない――と、そこまで考えた暁は、相手を挑発するように飛び回り、次の一手を考え始めた。
※
暁の指示に気付いて迂回する形の進行方向を取れば、すぐに彼らを発見できた。
「――咲真! それに涼まで……」
「無事だったか……」
そこに、青色と共に懐かしい顔があった。
「お前が蒼凰蓮華か」
「よォ、こりゃ勢揃いだなァ」
「これは……蓮華が、呼んだのですか?」
「俺が? ははッ、冗談だろ。単に可能性の話なのよな、これが。むしろ喜べよ忍、お前がいたから、こいつらは来たンだぜ」
「言ってくれるではないか」
「おい涼、お前はとっとと結界を張れ。ほれ、そこに寝転がってる二人もいるンだし、瀬菜は呪力が減ってる上に、忍は怪我人だぜ。影響が出るだろうがよ」
「あ、ああ……」
「お前の仕切りかね?」
「俺をよく見た上での問いかよ、咲真。ただし気を付けろよ、お前のは借りものなんだから」
「――」
この男は、咲真の背負っているものを知っている。
アイウェアの位置を正す咲真は、その下で己の瞳を閉じている。閉じた上で、自ら刻印を使うことで目を開くことを封じていた。
蓮華が〝可能性〟を見るのならば――咲真は〝意味〟を見てしまう。
本来の所持者がどうしていたのかは知らないが、今の咲真では目を開いただけで〝意味〟が勝手に飛び込んできて、自我の崩壊にすら近づいてしまう。何故ならば本来の所有者が、世界から消失した際に、残していったものだから――最初から咲真には合わない。
だから目を閉じ、最低限の〝意味〟を捉えることで、日常生活を送っている。槍を置いたのも武術家としてどうだと思ったからだし、本来の所有者が友人だったからこそ、今もまだ、その存在を探そうと思い情報屋になった。
額をやや強く押さえる。
「可能性か」
「そう言っただろうがよ」
であればこそ、咲真でも涼でもなく、雨天暁に接触したのか。
「蓮華、私の手は必要かね?」
「どうなんだよ咲真、お前はこの場に、手を貸してェのかよ?」
そんな、意地の悪い問いから目を逸らすよう、咲真は狐を見上げた。
「――祈るしかない、などと詮無いことを言った。ならば私は今、できることをやって、前言を撤回させるだけだ」
「それでいいンだよ。本来は狙わずに尾をやれ。お前の〝槍〟なら、一気に二尾くらい貫けるだろ。そこを狙ってけよ」
「うむ、任せたまえ――ところで瀬菜」
「ん、なに?」
「巫女服とは良いものだな! 初めて見たが似合っているとも! 今度、
「咲真!」
鋭く、制止するような声を立てた蓮華は振り向き、右手を差し出す。お互いに無言で握手をして、頷きが二つ。
「死ぬなよ咲真、頼んだぜ」
「わかっているとも同士よ」
「え、なに、馬鹿なのかしら?」
軽く咲真の背中を叩けば、槍を片手に戦場へ向かう。馬鹿なのは否定しない。だが好みなのも事実だ。
「張り終えた」
「ん。――お前は、出れないだろ」
「……」
「九尾の陰気は強すぎる。お前はその性質上、陰気に飲まれやすい。ここで守りを固めてくれよ」
「――そういう役回りか」
「不満か?」
「否、そんなことは最初からわかっていたことだ」
人は陰陽を合わせ持ち、気持ちが高揚することもあれば、落ち込むこともある。武術家は天魔を抱く――が、それは最終的なものであって、今の咲真のように天魔が傍にいないことの方が正常だ。彼らにとって元服、十五歳で一人前とはいえ、技術がそれに伴うかどうかは別物だ。
つまり――既に天魔を所持している暁が特殊なのである。
対して、涼はどうだ? なるほど、確かに天魔が傍に在るが――天魔とは、突き詰めれば妖魔と同じ陰気を抱く。得物を依代にして傍に在るのならばともかくも、自らに降ろしていたのならば、陰気そのものを手にしているのと同じ。
暁は既に均衡を保てているが、出自の理由もあり、涼はどちらかと言うと、常に陰気に傾いているようなものだ。この場には更に、九尾の持つ陰気が充満している。ともすれば、涼は天魔に食われ、己が妖魔と化する可能性だとてあった。
「気遣いに感謝する、蓮華」
「理由はそれぞれ、立場もそれぞれ、状況もそれぞれだよ、涼」
「そうだったな。故に俺は、忍の選択にとやかく言う資格もない」
「いえ……私は」
「ま、全部終わってからにしとけよ、そういう話」
ちりんと、髪飾りを鳴らしながら、蓮華は小さく笑う。
笑いながら、無数の可能性と向き合い、一撃で決まる可能性を手繰り寄せていた。
時間が先に向かうにつれて、可能性は枝分かれして数を増やし続ける。だが現実になった瞬間、そこが起点となり、枝分かれは一つに収束されていく。
無限とも思える可能性もまた、必ず、壱になるのだ。
その壱を、決める。
九尾の? 暁の? あるいは自分の?
否だ。
――この状況そのもの、全ての可能性を考慮した上で、全ての壱を手に寄せる。
相応の魔力を消費しながらも、一瞬とも呼べる壱を的確に、その状況に呼び寄せるために、壱を作る可能性を見るのだ。
そう。
実はこの方法、人が多ければ多いほど、可能性が広がる代わりに、蓮華の負担は大きくなってしまう。
だがそれでも、蓮華の打った手で集まったのがこの三人ならば、それを諾として状況を整えなくてはならない。
――それが、策士と呼ばれる人間の役目だ。
※
咲真は地面を低い体勢で疾走し、対して暁は障害物を蹴り飛ばすように上空を移動していた。
九尾は両足こそ動いていないものの、神社の境内全域は尾によって破壊され、綺麗な足場など蓮華たちの方にしかない。これこそが戦場だと血が沸いているのはきっと暁だけで、咲真にしてみればこのような実戦は初めてか、あっても二度目だろう。
それでも前へ進もうとするのは、咲真が後悔しているからだ。
――祈っている、などと馬鹿を言った。
忍に向けたその一言が咲真を縛っている。やろうと思えば、どんな手段を使ってでもここへ来ることができたのは、現実が既に証明しているのにも関わらず、何も選択しなかった過去の自分に対し、後悔しているのだ。
だから譲れない。
汚名は返上するものだ。
そうでなくては忍に顔向けもできない。
なればこの程度、朧月の槍の前に立ち塞がることを後悔させてやればいい。
朧月が持つは金気――そして、相反する火気を咲真が持つ。朧月家の者は姓と名の双方に違う属性を持つことを遺伝とし、それを複合させてこそ武術家として名乗りを上げる。
――金気同士とは相性が良いではないか。
何故ならば刃は金属同士を叩き合わせて作るものであり、そこに火の触媒を持たせるものだから。
尻尾を足場に跳ねた直後、高低差をつけてもう一尾が眼前に迫っていた。
三度目の閃光が放たれる。
方向は彼らではなく――咲真へ。
「どうしたものかね。……この千載一遇のチャンスとやらを」
逃げ場がないその空中で。
「どうにかしろッての」
「無論だとも」
射線軸に飛び込み咲真を飛び越える暁と、空中で僅かな会話を交わし――放たれた直後に、二人はお互いの足裏を蹴って逆方向に飛んだ。暁は地面へ、そして咲真は空へ。
武術家同士の以心伝心――そして、あるいは信頼。咲真が地面を疾走していて、空の経路を暁が選択した時点でこの展開は読んでいた。
――読んではいたが、賭けだがね。さすがは雨天の暁か。
そして朧月の槍に貫けぬものはなしと謳う。
空に掲げた槍は既に竜を模った炎を纏い、切っ先と顎が絡み合う。
狙うは二つの尾が重なったその一直線上の点――行く、否、往けと咲真は槍を投擲した。
槍は尾に命中しながらも、そこで静止――ただ、火の竜だけが尾の中へと速度を殺さずに這入り込む。更には命中の時点で二重の術式紋様が展開し、火の竜のために通路を創ったようだった。
大地に着地した咲真はふうと吐息し、上空から落ちてくる槍を頭上で掴み取る。
さて、次はどうすると内心で蓮華に問いかけながら移動する。距離を取るのではなく、今度は暁の補助へ回るために。
「
今度は時間を要せず、しかも同時に二尾が出現したのを間近で見た暁は思わずそう呟いていた。
瘴気が次第に濃くなっている。これは陰に傾く呪力が周囲に放出することで発生するものであり、妖魔の特性の一つとも言える。特に喰と呼ばれる九尾の一尾は陽の気を喰らう性質を持っているため、あまり時間をかけるわけにもいかない。
――そいつを逆に利用するッて手もあるにはあるンだが。
陰陽を併せ持つのが人である。故に武術も表と裏があり、呪術も陽と陰の二種類を習得する。暁が今も、また普段扱うのは陽ノ行で、陽の気は制御が比較的簡単なところもあり、元服を前に習得する――が、しかし、陰ノ行は難しい。均衡を保つことを念頭にしなくては陰気に飲まれ闇に落ちるし、かといって陰が全くないのでは陽に過ぎて天に昇ってしまう。
実際、師範には止められているものの暁は陰ノ行を扱うことができる。できるが。
――今はそんなことより、だ。
九尾と云えば伝承に残るほどの妖魔、間違いなく第一位だろう。現状では全力を出し切っていないとはいえ、それでも第二位とは比較にもならぬほど強い存在だ――が、しかし。
その尾の全てを、たった一撃で無力化している。これは実際にはありえないことだ。尾の表皮には針を無数に重ねた鋭さと硬さを備えているし、いくら巨体で動きが鈍くとも掠りでもしたら大事だ。そんなものにたった一撃で、果たして打倒することが可能だろうか。
――
加えて、九尾の意識を散らしているのか、遠距離からの攻撃はともかくも移動して直接攻撃を蓮華たちのいる場所に向かって行っていない。踏み潰すなり噛み付くなりしたのならば、結界など壊れてしまうだろうに。
蓮華からの指示はない。ないが、今のところ同じ種類の攻撃を行っていない事実は、当事者である暁は認識しているし、察していた。察するが、何故と、そんな疑問は棚上げのまま。
今までの攻撃は
――咲真は戻ってねェ、そこいらにいるか。
九尾の意識を自分へと向けるのは困難だが、いっそのこと正面に出てしまえとばかりに暁は移動している。周囲の木木は既に切り倒され、大地には修繕が難しい傷跡を残した移動しにくい場所を飛ぶように、しかし刀から手を離すことはなく。
――ッたく、わからねェ野郎だ。
だが、悪い気はしなかった。
深く、低く、躰を捻りながらも上半身を折り、しかし抜刀の構えにて暁は迎え撃つ。あくまでも迅速に、かつ的確に、蓮華の意図を読み取り、そして己の行動から蓮華の意図を把握する。
雨天流抜刀術、水ノ行第六幕終ノ章――その技を、〈
――来る。
手ごたえは、あくまでも中った程度。それが致命傷になりうるかなどわかりもしないのに、しかしそれが致命傷であることを暁は知る。だから次の一尾が発生することも読めた。
尾は暁の眼前に、暁を貫くような出現の形を取った。故に選択は回避、方向は空。
その時、何かがかちりと嵌った。
――ああ、そうか、致命傷になる可能性もあるッてか?
結論に至った暁の口元には笑み。きっとそれは、
蓮華の口元にも浮かんでいたはずで。
「槍は貫くものなのだがね」
「合わせりゃ何だっていいだろ」
肉声に、暁は空中で横回転を見せて居合いを完成させ、両手で構えた槍が振り下ろされる。
――暴、だ。
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