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2017年2月23日 13:09
続き僕はごくりと喉を鳴らしたけれど、口の中までカラカラで、張り付いた喉は余計に痛くなるだけだった。「なぜ?」なんとか絞り出した声は、ささやくようなかすれた音となって少女との空間に溶けた。「……」少女は答えない。ただじっと僕の目の奥を見つめ続けている。心の奥底を、ぞわりと舐められたような気がした。「──」「いい、けど……」少女が口を開きかけたのを制して、僕は言った。先ほどよりも、少し大きな声が出た。少女の瞳がほんの少し揺れ、腹にかかる圧力がじわりと大きくなる。寝間着を通して、少女の体温が伝わってきた。何度か口を開いては閉じを繰り返し、ようやく僕は意を決して、言葉を紡いだ。「いいけど、これ……カツラだよ?」そのときの大きく見開いた少女の目を、僕は忘れることができないでいる。
続き
僕はごくりと喉を鳴らしたけれど、口の中までカラカラで、張り付いた喉は余計に痛くなるだけだった。
「なぜ?」
なんとか絞り出した声は、ささやくようなかすれた音となって少女との空間に溶けた。
「……」
少女は答えない。ただじっと僕の目の奥を見つめ続けている。心の奥底を、ぞわりと舐められたような気がした。
「──」
「いい、けど……」
少女が口を開きかけたのを制して、僕は言った。先ほどよりも、少し大きな声が出た。
少女の瞳がほんの少し揺れ、腹にかかる圧力がじわりと大きくなる。寝間着を通して、少女の体温が伝わってきた。
何度か口を開いては閉じを繰り返し、ようやく僕は意を決して、言葉を紡いだ。
「いいけど、これ……カツラだよ?」
そのときの大きく見開いた少女の目を、僕は忘れることができないでいる。