応援コメント

ぬばたま幼女と僕の夜。」への応援コメント

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    僕はごくりと喉を鳴らしたけれど、口の中までカラカラで、張り付いた喉は余計に痛くなるだけだった。

    「なぜ?」

    なんとか絞り出した声は、ささやくようなかすれた音となって少女との空間に溶けた。

    「……」

    少女は答えない。ただじっと僕の目の奥を見つめ続けている。心の奥底を、ぞわりと舐められたような気がした。

    「──」
    「いい、けど……」

    少女が口を開きかけたのを制して、僕は言った。先ほどよりも、少し大きな声が出た。

    少女の瞳がほんの少し揺れ、腹にかかる圧力がじわりと大きくなる。寝間着を通して、少女の体温が伝わってきた。

    何度か口を開いては閉じを繰り返し、ようやく僕は意を決して、言葉を紡いだ。



    「いいけど、これ……カツラだよ?」




    そのときの大きく見開いた少女の目を、僕は忘れることができないでいる。