第2話

「小遣い稼ごう」



僕はデパートの前に仁王立ちしていた。

幸いデパートは家から

歩いて数分の距離にあったので

姉に借りたお金を財布に突っ込んだあと

そのままここへと直行した。

「デパートって…入るの初めてかも」

今回の第一声もあまりいい物じゃないな

そんな事を思いながら中へと入る。

案内板に従って3階へとエレベーターに乗る。エスカレーターは疲れるしね。

しばらくして到着した3階。

カッコイイマネキンなどには見向きもせず、僕はPC用品を買うために

スタスタと歩いていった。……遠い。


「あら、こんなのあるのね〜。」

それは僕がキーボードを選んでいる時だった。いや、正確には僕達だったみたいだけどね。

「姉さっ!?なん…こっ!」

訳すと(姉さん、何でここにいるの?)だが、驚きのあまり言葉は足りないし

噛みまくるしで何度きいても

姉さん軟骨にしか聞こえない。

「ふふふ〜つけて来ました☆」

つけて来ました☆じゃない!

キモチワルイ!

ウィンクモンスター姉貴!

「キモチワルくないわよっ!」

ウィンクモンスター姉貴は

心読みをつかった。さらにキモい。

「だからキモくないって!」

「はぁ…さっさと買って逃げよう…。」

さっきもキーボードって言った通り、

僕は先日ペットに噛まれてお釈迦になったPC用のキーボードを買いに来ていた。適当に丈夫そうなのを選んで買う。

さっさと帰って姉から離れたい。


「は〜、デパートから家ってこんなに遠かったっけ?」

軽く溜息をつきながら椅子に座る。

PCの起動ボタンを押す。

と、ほぼ同時にキーボードをPCに繋いだ。ペットに噛まれてお釈迦になったキーボードは数しれず…そんな僕にとっては繋ぐなんて息するようなもんだよ。

「このキーボード使いづらっ!」

びっくりした。すっごい使いづらい。

しかもバグる。すぐ電源切れる。

「しっかり選ぶべきだったー…。」

しかし、もう姉に金を借りるわけにはいかないし、勿論自分のお金も無い。

結論。しゃぁない、耐えよう。

「はやく新しいキーボード買いたいな」

何か小遣い稼げるもんないかな…

そこでGoo○leを開き

【小遣い】【簡単】で調べた。

バイトの広告がほとんどだったが

一つ、目についたものがあったんだ。

「ゲームを…創る?」

誰でも簡単にゲームを創って売れる。

その内容に僕は恐ろしい程惹かれてしまっていた…。

「ゲーム創るの楽しそぉーっ!」

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