僕がこの世界の創造神です。

勾玉

第1話

「ベタで釣れます」




「金が…足りなぁぁぁいぃっ!!!」

第一声がこれか…とは思ったものの、

僕の頭の中は今、この事で一杯だった。

「…お金ねぇ…そんなに必要?」

「うわ、姉さん!」

僕の部屋に勝手に入っていたのは

僕の姉、梢(こずえ)だった。

「うわ、とは何よ」

「そんな聞き覚えのある話してる場合じゃないんだよ…!」

ベタだ。ベタ過ぎる。「うわ、とは何よ」はベタ過ぎる。

「あーあ、折角お金貸してあげようと思ったのに。」

これまたベタな釣り方だな…。

しかしまあ。

「ごめん姉さん!貸してっ!」

僕のことは良く理解してるんだよな。


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