熾烈

 この前 sちゃんと、またまた Y.Oのライブへ行ってきました。

その日までの 週の前半、怒涛の日々だったので 余力があまり無くて。

 だけど せっかくのY.Oのライブだから、弾けるつもりでしたが

ライブ自体も 夏バージョンみたいな、熱い踊り狂う程の ノリでも無く。

秋冬仕様な感じで、そこまで ガンガンではなかったから、丁度良い

ほろ酔い気分な感じの ライブだったんです。


 sちゃんと 帰り道、寒いはずの通りを フラフラ歩きながら

『気持ちいぃ~』

って、言い合いながら。sちゃんが 適切なキャッチフレーズを

「Oちゃん浴でしたね」

と、正に その感じ!浴びた感じで 適度な汗と、熱すぎない浴場に浸かった感

ゆったぁ~りな陶酔、湯上り気分です。


 この後 お決まりの、カラオケコースに行きたいところだったけど。

私は 喉の調子が 万全ではなかったし、かなり体力消耗していたのもありつつ

お腹もそう空いてなくて。

 カラオケでも 全然良かったんだけど、とりあえず おいしい物が食べたくて。

そんな事を話ながら、駅を降りて「その辺 出てみてから考えましょう」と

言ってる2人に、魅惑な 焼肉の香りが・・・


 出口を出た 通り向かいに、おいしそうな肉の看板!

2人の心は、一気に 香ばしい匂いに 奪われたんです。

焼肉の匂いは 実に、人を狂わせますよねぇ~


 でも 私には 一抹の不安が…

『あんまり 肉って気分じゃないなぁ』

『ここんとこ 体を甘やかしてきて、太ってきてるのに ここで肉?』


 そんな思いをよそに sちゃんは

「どうしますぅ?」

と 尋ねてくる

『えっ?出てすぐってぇ  ねぇ…』

「ですよねぇ」

と言いつつ、目の前の 信号は青。

 何となく sちゃんは 焼肉食べたそうだし

『とりあえず 渡る?』

匂いの方へ 引き寄せられる2人w


 周りには 色んなお店がひしめいている 超繁華街の金曜の夜。

選び放題なはずなんだけど… 芳しい香りに 

『やっぱ ココにする?』

もう 自然と、店へ足が向いていました。


 これが プロメテウスの火の効果かぁ~(違



 お店は 【黒毛和牛食べ放題】をうたった所。


 『食べ放題っていうのも、あんまり良い肉出てくる感じしないなぁ~』

と やや疑心暗鬼ではあったものの、懐事情を考えると そうも言ってられないし

基本2時間食べ放題でしたが、入った時間が遅かったので 後1時間半だとか。

それで 十分でしょっってな訳で 注文。


 そんな言う程 肉に詳しい方ではないから、sちゃんにお任せした。


 すると sちゃんは、次から次から 2人前を、ドンドン頼んでる

おおおおお?ホルモン系を 頼む時、私に食べるか 確認してくれて

あんま得意じゃない と答えると、それは1人前で頼んで。私は サラダを

お願いして。オーダー終了。

 改めて メニューを見て、ご飯物や サイドメニューを見ると 冷麺が

あって、『冷麺…』というと。sちゃんも 「冷麺いいですねぇ~」と

『まっ まずは、どんだけくるか見てからにしよ』と

本当は 焼き野菜も頼みたかったけど、あの量だと きっと野菜は無理な気がして。


 それから トイレへ立って、私が先で 戻ってきたら、2・3皿 すでに

スタンバイしてました。その後 sちゃんが、トイレへ行っている間に

4人掛けのテーブルの3分2を 埋め尽くす程に、続々と 肉が運ばれてくる・・・

『どんだけぇ~?』(心の声)  一面 肉だらけ。

 時間も無い事だし さっさと食べましょうと、まずは タンから。


 フムフム おいしぃ~~!


 タンが終わって 次の肉は、網に近いところの肉をのせ始めました。

もう どれがどの肉だか わからないんです。

sちゃんは 「火の通りが悪そうなヤツから」と 分厚い肉をのせて、それは正解

だったし、赤身の多い肉からだったし。ヨシヨシと思って 焼きあがったのを

頬張ると… 

『肉ぅ~~~』

肉を食べてる実感 バシバシっ!


 sちゃんは 結構、ドンドンのせていっちゃうタイプで 途切れることなく

口に運べて、中々良いタイミングでの 食べれる感があって、何か うれしかった。


 「そっちのお皿 ホルモン系ですよね?」

と 私の方側に、ホルモン系のお皿があったんです。

「それは こっちの方がいいですよね」

と sちゃんが 引き取って、自分の領域で 焼き始めた。


 と、

私の領域へ 別の肉を投入。

実は その肉は、私の視界に ずっと入っていて、気になってた肉。。。

 殆ど 脂身な感じで、明らかに 他の肉とは色合いが違ってて、ほぼ白い。

『やっぱ食べ放題とか言うから あの程度の肉をカルビとかいって出すんだろうなぁ あんなん焼いたら、食べるとこ無いじゃん』

と思ってた、コレステロール値を 格段に上げそうな肉。


 その肉が投入されて 焼けるのが速いだろうと思って、手前にある肉を

引き上げた時  ふっと…

『sちゃん って、良く焼きの人?』

「ぃやぁ~ そうでも無いと思いますけど?」

『そっかぁ 私、良く焼きな人やから』

「そうなんですか」

『良く焼きやから すぐ人に取られてしまって、「これ私の!」って宣言して じっくり焼いたりする』

「あぁ 焼くのって人それぞれですからねぇ」


 と、ここまで 結構な量を食べてきて、わりと 私の好きな焼き加減で食べれて

きている事に気付いたから、そう話したんですけど。話しているうちに さっきの

脂身だらけの肉が モウモウと炎と煙を上げ始めて

「やっぱ 脂身あるのは、すごいですねぇ」

と、引き上げたら 結構な焦げ具合。脂も 大分落ちていて、タレに浸けたら 

ジュゥって音が鳴った。

 

 それを 口に入れた瞬間、幸福のフェロモン爆烈!

『あー! 何て 幸せなんだろうぉ~~~~~』


 脂が甘いというか 旨味があって、それに加えて 香ばしさといったら

最高級Aランク! 何だ!この昂揚感 堪らない!

 すぐ無くなってしまったし、次のも 焼け焦げてしまっているから、早々に

口に運ぶと 滴る脂汁が、口の中と鼻の奥まで 福が唸る!マヂで 何なんだーー!


 『おいしぃーーー!!』

というと sちゃんも

「ホンマですねぇ この肉は、ここまで焼いた方がイイ感じがします」

と 共感してくれた。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る