戦国猫時代 弐の巻
「お前ニャ、ここで死んでもらうかニャ!!」
僕がこの猫から聞いた言葉は、まだ
たった二言。
でも狂暴性を含んだ二言。
もう僕の頭の中は真っ白だ。
…おーい…
…おーい、ポンコツ~聞いてるかニャ??」
「ニャ~~全く聞こえてないにゃ。」
忠次「…え?」
あれ?呼んでる?
イエヤス「やっとかニャ?現実シャットアウトみたいな顔はヤバかったニャ」イエヤスが笑っている。
忠次「…え?」
…訳がわからない。
あれ殺されるんじゃないの?
(ここで死んでもらうかニャ!!)
あの言葉は?
するとイエヤスがまた僕の顔を見て笑う。
イエヤス「ニャはははははその顔にゃ、もしかしてさっきの言葉信じたニャ?あんにゃ三流の悪人が言いそうな言葉を?」
イエヤスはコロコロ転げながら笑いだした。
イエヤス「ニャははははは、やっぱりポンコツにゃ!!」
忠次「誰がポンコツだよ!!いや、いやいやそんなことより、なんで喋べれるんだよ??」
我ながら必死に言葉をひねり出したと思った。
イエヤス「仕方ないから質問には答えるにゃ、まずポンコツはお前にゃ、次に喋れる理由はワシがお前と違って頭がいいからにゃ。」
なんでこの猫はこの状況で淡々と話せるんだ?
いやまずなんで人の言葉を話せるんだ?
頭がいいからとかじゃ説明がつかない。
…いや何を猫の話をまともに聞いてるんだ俺は?
忠次「…いや、そんなので納得出来るわけないだろ!!」
イエヤス「やっぱりポンコツにゃ。」とがっかりした顔をしてる。
忠次「そんなにポンコツって、
「そうにゃ忠次。」
イエヤスが僕の言葉を遮り話をしだした。
イエヤス「今回のことはワシにとっても、だいぶ痛いにゃ、バレるなんて思わにゃかったにゃ。この事については秘密にして欲しいんだにゃ。」
えっこの猫、懇願してきた?僕に?
もしかすると…優位に立ってるのって僕の方なのか?
…よし、いいことを思い付いた。
忠次「……どうしようかな、あんな風にバカにされたしな。そうだ!どっかの研究所に送るか、それか動物園とか、そうすればどっちにしてもお金いっぱい貰えそうだよな~」
よしどうだ、少しはこたえたんじゃないか?
これで僕が優位に立った、
はずだった。
イエヤス「……そうかにゃ、仕方にゃいにゃ。あっ!!忠次!!ずっと気ににゃってたんだけどあのベッドの下にある女の人が服を脱いでる本、面白いのかにゃ?あと夜寝てる時に
忠次「あっ…うん、今から行く。」
しまった。虎では無く、猫の尾を踏んでしまった。
この猫は、僕なんかより何倍も計算高かったんだ。
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