戦国猫時代 壱の巻
~
康政「あれ?カギ空いてるのにツグにい帰ってきてない?」
直政「本当だ。」
直政「カツにい、お帰り!」
忠勝「
康政「カツにい、相変わらず渋い!!まだみたいだよ。」
忠勝「そうか、道草くってるのか?」
~河川敷~
帰宅部の鏡のような僕が遠回りをして帰ることは無いのだが、今日は違う。
イエヤスに見つかってからすぐに家を飛びだし、学校に着き授業が全部終わるまで、頭が整理出来ていない。
今もだけど。
『みたニャ~くそがき~』
頭からこの声が抜けない。
忠次「なんなんだよ、そんなことあるわけないだろ!!勘違いだ!」
自問自答が繰り返されるがすぐに振り出しに戻る。
忠次「…とりあえず帰ろ。」
足取りがすごく重い、イエヤスいるのかな…
いや。もう見られたから逃げたんじゃないか?
あんまり考えないでおこう。
着いた。いつもよりすぐに着いた気がした。
玄関のトビラの前に立つと、初めて自分の家のトビラが大きく見えた気がした。
…はぁ。
ため息がでる。
『みたニャ~くそがき~』
鳥肌がたつ。
もう忘れよう!!
ガチャ
忠次「よし、ただい…ま…」
玄関のマットの上にイエヤスが乗っていた。
康政・直政「「お帰りー!!」」リビングから二人が顔を出す。
康正「珍しいね、イエヤスがツグにいを玄関で待ってるよ!!」
忠勝「遅いぞ、あと10分で飯出来るから着替えてこい。」
忠次「…あっ、うん…わかった。」
そして僕が玄関に入ると同時にイエヤスが重そうな体をノシッとおこし、一切目を合わせずに二階に登っていく。
二階には僕の部屋がある。
そのイエヤスの姿を目で追う、すると階段の途中でとまり、僕を見てきた。視線が合う。そしてまた上りだした。
…ついて来いってことか?
とりあえずイエヤスが階段を上りきったのを見て僕も上がる。
するとイエヤスは僕の部屋の前にいた。
タン…タン…タン…タンと前足でドアを開けろと命令してきてるようだ。
僕は鳥肌が止まらなかった。
忠次「…夢じゃ…なかったんだ、」
とりあえず二人、いや1人と一匹で部屋に入る、
そして部屋のドアを閉めろと、また前足でドアを叩く。
僕が閉めると、
突然勉強机にイエヤスは飛び乗った!
するとまた毛を逆立て、こちらを向く。
イエヤスが口を開く、鋭い歯がちらつく
イエヤス「お前ニャここで死んでもらうかニャ!!」
その一言で僕は頭が真っ白になった。
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