第5話 本音
大嫌いな君は言った
笑うことしか出来ないと
僕は言った
嫌うことしか出来ないと
二人で言った
なんて切ないんだろう
と
冬から春に変わり、僕らは三年生になった。
君はまだ笑ってる
僕はまだ嫌う
それでもいいんだ
君さえわかってくればいい。
大嫌いな君に……
春の風が吹く。
甘い匂い
だけど変な匂いがあった
鉄の匂いがする
黒い道路に赤いものがつく
近くには変な塊
車は逃げ出した
僕は立ち尽くす
なんで
なんで
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで大"好き"な君が死なないといけないの?
君は涙を流す
「……く……ん……ご……めん」
君に初めて泣くという感情が宿った。
僕に初めて好むという気持ちが宿った
君に魂は宿らなかった
僕は叫んだ
「君が大好きだ!!だから、だからもう1度君に会わせてくれよぉぉ!!!」
君は箱に入った僕はただ見守った
君は明るい火の中に消えた
僕は水の中に潜った
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