小学一年、パンツ。

今じゃ昔の事で歴史にすら残らない話。


小学一年生の冬。

新しい余裕のあるサイズのズボンを履いて学校に行った。

朝、友達と話していた。

おはようと声が聞こえ振り向くと好きな子がいた。

挨拶をすると、何故かその子は無言で私のおしりを指差す。

え?と振り返えると、わたしのズボンは下まで下りていた。

「えっ!!」

急いで履き直すが、真っ赤な顔は直らなかった。

「気付いてたの?」

そう友達に言えば

「…うん。普通ズボンが脱げれば自分で気付くでしょ?

だから、ふざけてるのかと思った。」

そう言われ、言い返せなかった。

だが、ふざけて人前でズボンを脱ぐ女子がいるのだろうか。


その日は何回もズボンが下りて困るものだから、友達やその好きな子達と一緒に先生に相談しにいった。

「…先生。ズボンが下りて困るんです。

助けて下さい。」

そう言った瞬間、私のズボンが下りた。

みんな…笑ってくれた……。


そして先生はビニール紐でベルトをつくってくれたのでした。

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永遠のマヌケ 吉田若葉 @yoowaa

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