「頬舐めて」

煩先生

 

老いた愛犬が

宵闇を吠えて

命は此処だと

神様に告げる


悲愴な畏れを

見つめる瞳は

聖なる無心で

光彩している


負けた怪物に

満月は射して

骸を抱けども

足音が過ぎる


毛並の軽さで

枯れない泪は

夢見る奇跡を

哀願している

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「頬舐めて」 煩先生 @wazurai

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