scene
moco
scene 1~5
【scene 1】
『今宵の月に誓う』って
毎晩、形変える月に誓われてもね。
『でも必ず戻るから今宵の満月に。必ずおまえの元に』
どうせ誓うなら十六夜にして。
満月がゴールなら、そこへの始まりの十六夜の月。明日の月に誓って。
未来の明日も私を想って。どこにいても必ず。十六夜の月は約束の月。/fin
【scene 2】
森鴎外って教科書で見た。
通学電車でいつも見る人、いつも本読んでる。スマホしてる人より雰囲気かっこいい。
帰りに本屋で同じのを買った。
『舞姫』これ日本語?難しすぎ。意味不明の言葉だらけだったけど、読み終わったら哀しくなった。相沢キラい。
ーそんな文学への入口。/fin
【scene 4】
いつも一番奥の壁に向かったカウンターで一人でいる。
教室では友達たちと一緒にいるのに。
振り返らせたくてわざと大きな声だしたりするけどスルー。
教室では時々話すのに。
私に気づいてないの?暗いヤツなの?
興味がないだけ?
ーそんな始まり(自分から話しかければいいのに)/fin
【scene 5】
寒い冬の夜は、ベランダに出て思う。
風邪をひかないでね。怪我をしないでね。
呑みすぎないでね。元気でいてね。
笑っていてね。
なにもできないのに思う。
なにもできないから想う。
ただ月を見て想う。
今夜はCELLOを聴いて眠ろう。
穏やかな夢を見せてくれるかもしれない。/fin
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます