第3話 正月
「えっと、ついさっき東京から帰ってきて、夜中にまた呼び出される私って、彼氏に精神的暴力を振るわれてるのかな?どう思う?美桜ちゃん」
「剣お兄ちゃんってそういう所あるからね〜」
俺の悪口が200m離れていても聞こえてくる。
「嫌われ者ですね。もう1人の僕は」
「うるせぇ。お前も本編で美桜ちゃんに嫌われてただろうが」
「うぐっ……痛い所を突いてきますね」
「シスコンのくせに」
「シスコンじゃない!!」
そんなに強く否定されるとシスコンとしか思えないんだけど。
「それより、お前いくら持ってきた?」
「美桜へのお年玉として30万円、沙奈江さんへのお年玉として15万円、君にはお年玉なしです。それと、自分用に10万円」
金持ちってすげぇな。
「剣君は?」
「美桜ちゃんに2万円、沙っちゃんに5万円、お前には渡さず、予備で1万円」
なんだろう。この差。自分で言ってて辛くなる。
「お金無さすぎでしょ」
聡夫が笑いながら俺をからかってくる。
「うるせぇ。お前が持ち過ぎなんだよ!!」
大体、学生に渡す額じゃないだろ!!
「剣君!!早く〜!!」
「お兄ちゃん達早く来てよ〜!!もう行くよ〜?」
相変わらず、急かされてばかりだ。
「はいはい。今行くよ〜」
「本当に元気な妹を持ててよかった」
コイツ本当にシスコンだな。
「「「「3・2・1・新年明けましておめでとうございます!!」」」」
年が明けた。
「さっさと初詣済ますぞ〜」
「剣君は余韻に浸らせてくれないんだ」
「ヒドイね」
「あぁ、酷いな」
「お前等便乗して行くな!!」
本当にそういう所で息が合うのは困る。
「そんなに言うならお年玉出さねーぞ」
「「えぇ〜!!」」
「僕の分は元から無いくせに」
「聡夫に関してはお互い様だろ!!」
本当に酷いのはどっちなのだか。
「えぇ〜。剣お兄ちゃんは2万円?」
「うるせぇよ!!」
と言うか、中学生にやる額じゃないだろ!!
「剣君ありがとう」
「いえいえ」
そう。沙っちゃんの反応が正しいんだ。俺の金が少ない訳じゃないんだから。
「でも、聡夫さんの方が嬉しいかな」
訂正。この
「そんな事より、言う事あるだろ?」
皆にとぼけられた。酷くね?
「せーの」
それでも、続ける。
「「「「今年もよろしくお願いします!!」」」」
悪魔たちの仲間になった元人間 イベント用 上山基也 @Motoya
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