第十二話「詰んでるぅぅぅ⁉」

「ちなみに、驚異的なびっくり高難度クエストっていうのは一体どんなものなのでしょうか?」

俺は冷や汗をかきながらギルドの受付のお姉さんに尋ねてみた。

「え……っと——あはは……」

「すいません、なぜ目を逸らすんでしょうか。全体的にまずいパターン  じゃないでしょうかこれ」

全力で目をそらそうとしている。

「それが、ドラゴン討伐……だったり……?」

「嘘だぁァぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァ  ⁉」

 そこで俺は考えた。

「いや、まて。

 急にこんな大変な問題にぶち当たるなんて考えずらい。つまり、このド ラゴン討伐は簡単にクリアできる何かがあるということだ‼」

「あ、すいません。

 このクエスト上位の方でも並大抵の死の危険があるから誰も取ろうとし なかったんですよ」

「じゃあ、このクエスト解除することはできるんですか?できますよ   ね‼」

 俺の必死の懇願は、希望はしかしギルドのお姉さんの一言で打ち砕かれた。

「申し訳ないですが……クリアするしか止める方法は……」

「じゃあクリアしないで放っておくのは……」

「一度に受けられるクエストは一つまでです」

……誰か。

 振り向いて、神宮寺と目があった。

 彼は目をそらした。

 反対側を振り向いて、アメリアと目があった。

 彼女はぎこちない笑みを作ってがんばれと口で形作った。

 正面にギルドのお姉さんがいた。

 申し訳なさそうに謝り続けていた。

 このことから、俺は結論付けたのだ。

そう、これは……。

「詰んでるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

 ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ‼」

 こうして、俺はなんとかしてドラゴンの討伐をすることになってしまったというわけだ。

この世の中マジで理不尽……。

今日ほどそう思う日が生涯でもう一度でも起こるのだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る