第九話「ギルド……?」
冒険者のカードを手に入れたが、そこにはスキル創作者の文字が躍っていた。
説明の文字もない、何の情報もわからない。
「ほんとにこれなんだ……?そして腹減った……」
アメリアに改めて知らないか尋ねる。
「わかんないです……そんなスキル見たことないし……使っている人がいるな んてことも聞いたことないし……」
アメリアですら知らないという、正直なところ何もわかっていない状態というのは不気味極まりない。
「どうしたよ?」
神宮寺が尋ねてくる。
「お前、カードのスキル欄なにかあるか?」
「スキル欄?」
スキル欄にすら今気づいたような様子で、神宮寺が全体を眺める。
「真っ白なんだけど……それがどうかしたか?」
「何もなかったか……」
興味ぶかそうに顔を覗き込んでくる神宮寺に気づいたことを説明していく。
「知らないスキルがあったって……?アメリアも知らなかったのかそのスキル」
「知らなかった……どんなものかもわからないし、使い方もなんに使える かも」
「悪の力でも宿っているとでもいうのか⁉」
「何故そこで、悪の力が出てくるんだい?」
「なんですか、悪の力って?」
「この時期の男子がよくかかるという思春期特有の発想さ、気にしなくて いい」
さすがにここまで来て神宮寺が腕に包帯を巻きだしたり……なんてことはしないだろうと藤堂は強く願った。
「シシュンキ?まぁいいかな……それで、どうするの?」
「どうするって?」
「使ってみるとかそういうことだろ」
神宮寺が横から援護で言葉を補う。
「でもどうやって使うかわからないんだよ……わかってたら使ってみよう とは思ってるんだけど」
「使うだけならできますよ」
アメリアが当然のように言い放つ。
それを聞いて二人の思考が、一瞬停止する。
「「どうやって?」」
知りたい欲求が頂点に達した二人がアメリアの顔の目の前まで近づいたら顔を真っ赤にしたアメリアに蹴り飛ばされたりもしたが特に展開には何の影響もないためここでは話さないでおこう。
「まず、スキルの欄を押すか……詠唱で発動するんですよ」
「詠唱はわからないから……スキルの欄を押して使うしかないのか」
カードを手で押す。
カードのスキル欄が光る、ギルドの建物が一瞬光に包まれる。
「収まった……か?」
クラスの面々がこっちを驚いた様子で見ている、光の影響だろうか。
「なにか変わりましたか?」
「何も変わって……スキル欄に一つ項目が増えてる⁉」
「本当ですか⁉」
「ああ……」
カードを二人によく見えるようにしながら藤堂は言った。
「……料理スキル……だって」
「「はぁ?」」
思わず神宮寺とアメリアの二人は叫んでいた。
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