第八話「……まさか……主人公……的な?」
困った。
いや、困ったといえば杖っぽいものを取り出したさらにアメリアが炎を出してきたってことも困っているといえば困っているといえるのだが。
ただ今困っていることは全く違う。
じゃあ何に困っているかって?
「なんで……なんでギルドって書いてるのに思いっきり酒場がめいんになっている んだぁぁぁぁぁぁ!」
俺たちはこれからのこととかもろもろを相談しに来たはずなのにどうしてこうなった。
ギルドって言ったら仕事をあっせんしてくれたりモンスターの情報教えてくれたりする場所なんじゃないのだろうか。
「たぶん酒場なんだよここ」
神宮寺はそういうが、
「全力でギルドって書いてあるんだが、でかでかと」
「藤堂、わかっているけどあえてとぼ毛ているんだよ」
アメリアが突っ込みを入れてくる。
「高校生が酒場に入っても問題ないのか、神宮寺⁉」
「コウコウセイ?が何かは知らないんだけど酒場に入れない人なんているの?」
「年齢制限ってことだ」
「20歳未満はこっちの世界では駄目だったんだよ」
「そうなの⁉」
「こっちではそんなことないのか」
「うん。ないよ、まぁ12才くらいまでは基本的にみんな入らないけど」
「藤堂、向こう側がギルドみたいだよ」
「ああ、そういうことか」
つまりギルドと酒場は通路を挟んで壁の向かい側にあったということなのだろう。
俺たちがギルドに入ると、クラスのやつらはプリペイドカードのようなものを一枚づつもっていた。
それを指さしながら話をしているものや、すかしてみたりしている者もいる。
「アメリア」
俺の背中に乗ったまま離れようとしない少女にそのことを尋ねてみた。
「何~なにか面白いものでもあった?」
「あのみんなが持ってるもの何かわかるか?」
それを見てから、
「あれは、冒険者情報カードだね。スキルとか地図とか冒険をする人たちに必要な ことが書かれているの。
ほら、あそこで発行できるよ」
そういっていくつかあるカウンターのうち右端を指さす。
「行ってみるか、神宮寺?」
「やっといてそんはないだろうしね」
カウンターに立つ、それだけで目的が分かっているかのように登録に必要なものが目の前に置かれていく。
書類に一通り目をとおしてから針が渡される。
「何ですか、これ」
「血判です」
なにその仁義にあふれる世界の人々が使ってそうな言葉。
その血判を押してから、カードを見直す。
そこで、あることに気づく。
「アメリア……」
「今度はなんですか、珍しい食べ物でもありましたか?」
「これを……見てくれないか」
「どれどれ……ほうほうスキル欄ね、あれ……」
「気付いたか?」
「なんでもうスキルが入って……なにこれ……」
「ああ、それが聞きたいんだ」
「「スキル
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