第六話「やって……やろうかな……?」

 森の外れの広場で俺を待っていたのは、俺の予想通り俺を除くクラスメイト全員が待っていた。

「マジかよ……」

 驚いたような視線を全身に浴びながら俺はただつぶやいた。

「藤堂ぉぉぉぉぉぉ!」

 誰かが俺のほうへ走ってくる。

 もちろん見覚えはあるよ。

「神宮寺ぃぃぃぃぃ!」

 元の世界、つまり日本で友達が数えるほどしかいなかった俺の数少ない友達の一人だ。

 久々……(まぁそんなたってないけど)の再開にガッとこぶしをぶつけ合う。

「お前も来てたのか」

「それはこっちのセリフだ!お前だけいなかったから来てないのかと思っ てたんだ」

「場所が違ったみたいだな、俺だけ向こうのほうに飛ばされてた」

 そういって俺は送られてきたほうを指さした。

「どうして藤堂だけ?」

「わからない……ところでここにいるのは全員なのか?」

「ああ、教室の外で何かが光ったと思ったら気付いたらここに来ていたん だ」

俺と同じ状況ですか、ということは向こうに戻る手掛かりはあの仮面の男だけか、そう考えた。

「でも、みんないきなり変なところに連れてこられてかなりピリピリして るな……泣き出す女子もいるし」

「まぁ、それが普通だよな」

ここで慰めたりしたらモテルかなとか余計なことを考えながらみんなのほうを向く。

「見事にグループに分かれてるな」

ひとかたまりになるのではなく学校にいたころのグループに分かれて固まっている。

「これはそのうちけんかが起きてもおかしくないなと思ってる」

確かに、この雰囲気はかなり良くない。

「これはどんな状況なの?」

アメリアが聞いてきた。

これはもう話していたほうがいいかと、考え。

「話しとくか……実はな、俺それとここにいる奴らは全員異世界から来て るんだ、信じてもらえないかもしれないけどな」

「うーん、いや信じるよ。モンスター狩るって言っただけで驚いたり、魔法にも反応していたしね」

「それなら話は早いんだよな。

 この状況ってどうすればいいと思う?」

「私に聞かないでよ……」

そういって頭を抱えてしまったが、頭の上で電球でも光ったかのように急に顔を上げた。

「ねぇ」

「どうした?」

「あなたたちの最終目標ってその元の世界に戻るってことなのよね?」

「ああ、そう思ってくれて構わない」

「かなり時間がかかるかもしれない、私も異世界からの来訪者なんて初め てだから」

「ああ、わかった」

「でも、せっかくこの人数いるんだったら」

「この人数いるんだったら?」

「この世界のあちこちに分かれて戻る方法を探すとかどう?

 ……なーんてねさすがにそれは……

「おい神宮寺」

「なんだ藤堂、大体わかるけど」

「俺個人としてはもう帰りたくないくらいなんだが」

「同意見だ」

「この世界を冒険……」

「おう!」

「やって……やろうかな……?」

その瞬間、これからの俺達の命運を大きく分けることになる、ここからの方針が決定した。



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