第四話「一筋の希望なのかな……?」
異世界だということを直感的(という名の推理)で判断した俺こと、東堂 優希は結構大きめの問題に直面していた。
それが何かって?
帰れないんだよね、外国ってわけじゃないから。
ここ異世界だから。
「どうしようか……はぁ……」
「どうしたの?」
不思議そうにアメリアが聞いてきた。
「いや、なんでもない」
「そう?」
「ところでここの人たちってどうやって生活しているんだ?」
「モンスター討伐とかですね」
「モンスターか……」
そうじゃないかとは思っていた、だって草原だし。機械とかない感じだし。
何が出てくるんだ……
「それってどうすればできるんだ?」
「ギルドに言って登録するのが一番早いかな」
「なあ……」
「ギルドに連れて行ってくれ、でしょ?」
アメリアが笑いながら俺の言いたいことを察してくれる。
「頼めるか?」
「もちろん!」
力強くうなずいてくれる、かなり頼もしい。
「じゃあ、早速行こうか」
「助かる」
そうして歩き出そうとしたその時、アメリアが声を上げた。
「あ、ドゴさーん!!」
剣を腰に携えてため息をつきながら歩いてくる男、ドゴがその声に反応して、
「ああ。アメリアか……」
「どうしたんですか、そんなにため息をついて」
「森の外れの広場に何か数の多い反応があるって聞いたから行ってみたん だよ。
何があったと思う?」
「何があったんですか?」
「人間だ。ただのな、それも服装がかなりおかしい連中でな。
ギルドも警戒している」
「そうなんですか」
変な恰好か。
どんな感じなんだろうな。
とそこで、ドゴと呼ばれた男がこっちを見て驚いたように目を丸くした。
「そうだ、お前みたいな格好のやつだよ!!」
俺の格好は制服、これと同じ格好となると……
「まさか、あいつらも……」
「え?」
「いや、なんでもない」
確認するまでに下手に騒ぎを大きくする必要もないはずなのでここは黙っておくことにする。
「アメリア!!」
「何!?」
「森の外れの広場に連れて行ってくれるか、ギルドより先に」
「それは構わないけど、何もないと思うよ」
「頼む」
「いいよーじゃあドゴさんまたねー」
「ああ、何もないとは思うけど気をつけろよ」
「はーい」
そうして、ドゴが去ったあと。
「行こうか」
「ああ!!」
こうして俺たちは森の外れの広場に向かって走り出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます