第三話「どういう展開になるのかな?」

「ここはどこなんだろうな……」

外国なのか、それとも……

 俺は体育座りで遠い目をしていた。

 なぜかって?

 決まってるじゃないか、俺の隣に知らない少女が倒れていたからだ。

 数分後……

 少女の目がゆっくりと開くまで少女のほっぺたをつんつんしていた。

 うん。

 起こそうとしていただけだよ、他意はないよ?

「あれ、私どうして……」

「起きたか?」

「どなたですか!!!?」

「うおぅ!?」

 至近距離で大声で叫ばれて思わず変な声が出る。

「い、いや怪しいものじゃない……!」

「そうなんですか?じゃあいいか……」

 いいのか、とは思ったがこの場合はそっちのほうが都合がいいだろう。

そこで俺は改めて少女のほうに向きなおる。

 赤い目に黒色の髪、背丈は170の俺より少し小さいくらいで、長い髪をひとつにまとめている。

 何が言いたいかというと、かなりドストライクだということだ。

「俺は、藤堂 優希。15歳で遠くの町からやってきたんだ、だからまっ たくこの町のこととかがわからないんだ」

「そうなんですか。あ、私はレッヒェルン。アメリア=レッヒェルンです。」

 アメリアと名乗ったその少女は軽装だがおそらく使い慣れているであろう短剣を腰に携えている。

 できれば何があったのか聞きたかったのだがたぶんこの子知らないね、うん。

 だってめちゃくちゃ驚かれたし。え?気にしてないよ別に。

「ちなみにここはどこなんだ?」

「ここのことを知らずに来たんですか!?」

「ああ……急なことだったからな……」

言えねぇ、連れ去られてきましたなんて絶対言えねぇ。

「ここはアンファング、一番平和な町とも呼ばれる大陸の外れのほうにあります」

「アンファングか……」

どこだよ。

「あ、今更だが敬語はいらない。あと俺は日本から来たんだけど……」

「そう?じゃあ遠慮なく。二ホン?聞いたことないな。」

あ…………

ここで俺は重要なことに気が付いた。

日本語が話せる少女。

日本を知らない。 

ここ……異世界だわ……

事態は思った以上に深刻だったようだった。 



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